「旗本」と「親藩」はどちらも徳川幕府に仕えた家臣を指す言葉です。
2つの言葉はどのような家臣を指しているのでしょうか。
この記事では、「旗本」と「親藩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「旗本」とは?
「旗本」とは、「石高が1万石以下で将軍に謁見できる家臣」を指す言葉です。
徳川将軍家に直接仕える直参の家臣のうち石高が1万石以下で将軍への謁見が認められている者を指します。
直参の家臣としては高位に当たり、将軍に謁見できない「御家人」よりも上に位置付けられます。
「親藩」とは?
「親藩」とは、「徳川将軍家と血縁関係にある大名」を指す言葉です。
徳川家に使える者のうち石高が1万石以上の家臣を「大名」といいます。
大名の中でも徳川家康の男系男子の血を引く血縁者を始祖に持つ大名家を「親藩」といいます。
簡単に言えば将軍家の親戚にあたる藩が「親藩」です。
「旗本」と「親藩」の違い
「旗本」と「親藩」の違いを、分かりやすく解説します。
「旗本」と「親藩」の違いは「血縁」です。
「旗本」と「大名」は石高が1万石以下と以上という違いで区別されますが「旗本」と「親藩」の決定的な違いは徳川家の血を引いた親戚かどうかです。
「旗本」は徳川家に仕える一般的な家臣を指すのに対し「親藩」は徳川家康の血を引いている血縁者、という血のつながりの有無で区別されます。
徳川家の家臣にすぎない「旗本」と比べると石高1万石以上で将軍家との血縁もある「親藩」は圧倒的に格上です。
「旗本」の例文
・『江戸町奉行は旗本が任じられる役職だ』
・『旗本だからと言って経済的に豊かとは限らない』
「親藩」の例文
・『親藩は家格こそ高いが政治的な発言力は弱かった』
・『親藩は重要な土地を領地として与えられている』
まとめ
「旗本」と「親藩」は石高と血縁と2つの違いで区別されています。
ポイントさえ理解すれば難しくないので基準を理解して正しく区別してください。