「怒涛」と「怒濤」は漢字が異なるだけで「どとう」という同じ読み方をする二つの言葉ですが、「怒涛」と「怒濤」の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「怒涛」と「怒濤」の違いを分かりやすく説明していきます。
「怒涛」とは?
「怒涛」という言葉は、「強い勢いで激しく打ち寄せてくる大波」や「荒れ狂う波」を意味しています。
「怒涛」はその原義から転じて、「激しく打ち寄せる波のように勢いが凄まじいさま」や「凄い勢いで迫ってきて緊迫感があるさま」という意味も持っています。
「怒涛」の「涛」という漢字は「濤」の略字であり、「大波(さんずい+長くつらなっているの意味合いを持つ漢字)」という意味は同じになります。
「怒濤」とは?
「怒濤」という表現は、「激しく荒れ狂う大波・強い勢いで打ち寄せてくる大きな波」を意味しています。
「怒濤」もまたその原義から転じて、「激しい波のように凄まじい勢いがあるさま」や「物事が迫ってきていて緊張感があること」の意味を持っています。
「怒濤」の言葉は、「怒濤の一日が終わりました」や「怒濤のようにやるべき仕事が襲いかかってきます」のような文章で使用することができます。
「怒涛」と「怒濤」の違い!
「怒涛」と「怒濤」の違いを、分かりやすく解説します。
結論から言うと、「怒涛」と「怒濤」はいずれも「激しく打ち寄せる大きな波(荒れ狂う大波)」を語源としていて、「激しい大波のような強烈さや勢いがあるさま」というまったく同じ意味を持っている言葉になります。
ただし現代では1983年にJIS(日本工業規格)が基本漢字を改訂した「JIS83制定」によって、略字の「怒涛」ではなくて旧字(繁体字)の「怒濤」を使用することが推奨されているという違いを指摘することができます。
そのJIS83制定による影響で、マスメディア報道の文章や出版物の文章では、「怒涛」の漢字表記よりも「怒濤」の表記を見かける機会が多くなっているのです。
まとめ
「怒涛」と「怒濤」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「怒涛」という言葉は、「激しく打ち寄せてくる波」や「荒れ狂う波のように勢いが凄まじいこと」を意味しています。
それに対して、「怒濤」の言葉も「荒れ狂う大波・激しい波のように凄まじい勢いがあるさま」という「怒涛」と同じ意味を持っていますが、現代のJISでは「怒濤」の使用が推奨されています。
「怒涛」と「怒濤」の違いを詳しく知りたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。