「綜」と「総」はほとんど同じ意味・用法を連想させる区別しにくい二つの漢字ですが、「綜」と「総」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「綜」と「総」の違いを、分かりやすく説明していきます。
「綜」とは?
「綜」という漢字は、「個別のバラバラなものを一つにまとめて合わせること」や「織り機の部分(おさ)」を意味しています。
「綜」は「錯綜」の言葉で使われるように、「入り混じる・混じる」という意味も持っています。
文部省が1923年から発表・改正している「常用漢字」は2010年に改定されましたが、「綜」の漢字は常用漢字に含まれていないため、現代では一部の社名などを除いてほとんど使う機会はありません。
「総」とは?
「総」という漢字は、「全部を一つにまとめること・統括すること」や「全部・すべて」、「複数の糸を一か所で締めて垂らした房(ふさ)」を意味しています。
「総」という漢字は常用漢字の一つであるため、現代では「総合・総計・総意・総称」などの言葉として一般的に使用される漢字になっています。
「綜」と「総」の違い!
「綜」と「総」の違いを、分かりやすく解説します。
「綜」の漢字と「総」の漢字はどちらも「個別バラバラのものを一つに合わせてまとめる」という同じ意味を持っていますが、現代では常用漢字表に掲載されている「総」の文字を一般的に使用しています。
常用漢字から「綜」の漢字が除外されるまでは、「総合」よりも「綜合」の表記が一般的でしたが、現在では一部の会社名などを除いて「綜合」の表記を使うことはほとんどない違いがあります。
漢字の字義の違いとして「綜」には「入り混じる」の意味があり、「錯綜(さくそう)」という言葉で使用されていますが、これを「錯総」と表記することはできない違いもあります。
「総」には「入り混じる」の意味がないからです。
まとめ
「綜」と「総」の意味の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「綜」という漢字は、「常用漢字ではない漢字・人名漢字として使える漢字」で「バラバラのものを一つにまとめること」を意味しています。
「総」という表現は、「常用漢字・学校教育で教わる漢字」で「すべてのものを一つにまとめて合わせること・全部」の意味を持っています。
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