この記事では、「要領がいい」と「器用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「要領がいい」とは?
「要領」とは、「ようりょう」と読み、物事の要旨、要点、大事な点という意味の言葉です。
また、コツなどの意味で使われる場合も多くなります。
よって、「要領がいい」とは、大事な点をおさえている、巧みに立ち回り、物事を上手くさばいているという意味になります。
物事を処理するだけではなく、人間関係を円滑に進める様子に対しても使用します。
また、「要領がいいだけで実がない」など、要点だけを抑えているという意味で使うこともあります。
細かいところなどは手を抜いている、人に取り入るのが上手いという意味合いです。
「要領がいい」の使い方
物事を上手くさばく人などに対し、使います。
「要領がいい人」、「要領のいいやつ」などです。
褒めるときに使う場合と、嫌味で言っている場合があります。
例えば、「こんなに短時間で難しい仕事をこなすとは、君はなんて要領がいい人なんだろう」と、言った場合には賞賛です。
しかし、「あいつに殆どの仕事を押し付けて、期限に間に合わせるとは、要領がいいね」と言った場合には、褒めているとは言えません。
単に「要領がいい」と言っただけでは、どちらの意味で言っているのか伝わらないことがあるので、本人に向かって言う時には注意が必要です。
「要領が悪い」、「要領を得ない」などの使い方もあります。
「器用」とは?
「きよう」と読み、物事、特に細かい仕事を上手くやることを指します。
また、要領が良いことに対して使うこともあります。
それ以外に、物事に対して、不平不満なく受け入れるという意味もあります。
「そんなことを言わず、器用に受けてください」などと使用します。
「器用」の使い方
「器用な人」、「指先が器用」などと、使います。
人の能力に対して使ったり、振る舞いに対して使ったり、幅広い意味で使う言葉です。
また、文句などを言わずに素直にするという意味で使うときには、「器用に受ける」などといいます。
熟語には、「器用貧乏」、「器用人」などがあります。
「器用貧乏」とは、何事も上手く出来てしまうために、ひとつのことに集中できず、大成しないことをいいます。
「器用人」は、才知、技芸などに優れた人を指します。
「要領がいい」と「器用」の違い
この二つの言葉には、共通する部分とそうではない部分があります。
どちらも物事をそつなくこなすという意味があります。
また、人間関係を円滑にする場合にも使います。
違うところは、「要領がいい」は、コツを掴んでいるという意味がありますが、「器用」にはコツを掴んでいるというニュアンスはそれほどありません。
要領がいいと言われる人は、コツを掴んでいるので出世することが多いのですが、器用だと言われている人は、必ずしも出世するとは限りません。
また、指先が器用だとはいいますが、指先の要領がいいとはいいません。
「要領がいい」の例文
・『要領がいい同僚を妬んでしまいます』
・『友達に、要領がいい人だと言われましたが、それほど嬉しく感じませんでした』
・『彼は、要領がいい、世渡り上手の男だ』
「器用」の例文
・『器用貧乏なので、平社員のままです』
・『なんでも出来る器用な人に憧れます』
・『不器用で、料理をすると指が傷だらけになってしまう』
まとめ
「要領がいい」と、「器用」は同じ意味で使われることもありますが、異なる意味もあります。
違いを知って、役立ててください。