私達が普段から使っている日本語には、様々な表現がありますが、少し言い回しが異なってくるだけで、微妙に受け取る意味合いが異なってくることがあります。
例えば、「見える」と「見られる」という表現もその1つになるでしょう。
そこで今回は、この「見える」と「見られる」の2つの言葉について見ていくことします。
「見える」とは?
「見える」とは、「人の目の視界の中であるものが目に被写体として感じることができること」、あるいは「目に映る」という意味があります。
また、「見ることができる」、「視覚が機能して物が目の中に飛び込んでくる」というような意味も持っています。
「目に映る」という意味では「川が見える」、「人が見える」という使い方ができ、後者の「見ることができる」という意味では、「猫は夜でも物が見える」という使い方になります。
時には、「対面する」、「お目にかかる」という意味で解釈されることもあります。
「見られる」とは?
「見られる」は、文法的にはマ行上一段活用の動詞の「見る」の未然形の「見」に、受身・尊敬可能の助動詞「られる」が付いた形の表現となります。
「ある状態が認められる」、「そのように推察される」、「見るに値する」という意味合いを持つ表現です。
「彼は全く反省の色が見られない」や「こちらの思惑を把握する狙いがあると見られる」というような使い方をしています。
「見える」と「見られる」の違い!
では、「見える」と「見られる」では、どのような意味の違いがあるのでしょうか?
「見える」は、その人の意思に関わりなく「物などの対象物が事前に目に入ってくる状態」と理解することができます。
一方の「見られる」は、話し手が「ある言葉をトリガーにして、そのことを作為的に捉えてその可能性を見出すこと」として理解することができるでしょう。
つまり「見える」は自発的な行動として受け止めることができ、「見られる」は可能性の重きを置いた点が異なります。
まとめ
「見える」と「見られる」の意味を紹介してきましたが、日常生活の中で何気なく使っている言葉だけに、今回のようにロジカルに意味を見つめていくと、それぞれの言葉の奥深さを改めて再認識できることと思います。