予想に対し用いられる「存外」と「案外」は、どのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「存外」と「案外」の違いを分かりやすく説明していきます。
「存外」とは?
ものごとの程度が予想と異なることを「存外」と言います。
しかも、その予想と異なる結果は、決して悪い結果ではなく、良い結果を意味する言葉が「存外」です。
自分自身が想定していた以上の結果を残すことができた場合、それが「存外」です。
そのため、「存外」は、「驚くべき」や「思いがけない」、「意表」、「まさかと思うが」などと言い換えることができます。
「存外」の使い方
「存外」は、「存外な報酬」や「存外な面白さ」、「存外に優しい」、「存外に難しい」といった形でも用いられます。
「案外」とは?
予想が外れること、思いがけないことを「案外」と言います。
思っていたよりも、といった意味になります。
「案外」は、良い結果、悪い結果に関係なく、想像していた結果と逆の結果になることを意味する言葉です。
そのため、「案外」は、「意外」や「思いがけない」、「思いのほか」などと言い換えるができます。
「案外」の使い方
「案外」は、「案外できた」や「案外難しい」、「案外知らない」、「案外大丈夫」などといった形で用いられます。
「存外」と「案外」の違い
予想に対し、「存外」は予想よりも良い結果になったことを意味し、「案外」は、予想していたこととは違った結果になりそうなことを意味します。
また、「存外」の場合、想像と結果は同じ方向だったけれど、その想像よりも良い結果が出たことを意味します。
それに対し、「案外」は、想像していたことと反対の結果になったことを意味するといった違いがあります。
この同じ方向性なのか、逆の方向性なのか、といった違いも、この2つの言葉の大きな違いとなります。
「存外」の例文
・『コツコツ努力した結果、存外の成績で卒業することができました』
・『今回上映された映画は、存外の人気が出たため、すぐに第二シリーズの話が持ち上がっているそうです』
・『先輩の仕事を少し手伝っただけで、存外な謝礼を頂くことができました』
・『あまりにも、存外な報酬に驚きました』
「案外」の例文
・『今回のテストは自信がなかったものの、案外問題を解くことができてホッとしています』
・『そう周りの人の目を気にすることなどありません、案外人は見ていないものです』
・『簡単だと思っていたが、案外難しくて時間がかかりました』
・『遠く感じていたお店に実際に行ってみると案外近くて驚きました』
まとめ
予想に対し用いられる言葉ですが、以上のような違いが「存外」と「案外」にはあります。
「存外」の場合、良い結果になったことを意味し、想像していたことと結果は同じ方向性となります。
それに対し、「案外」は、予想していたことが外れそうなときに用いられる言葉で、想像と結果が逆の内容になる際に用いられるといった違いがあります。