この記事では、同音の「許す」と「赦す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「許す」とは?
「許す」は、そうだと認める、それを許可するといった意味になる言葉です。
「時間になって、ようやく入場が許された」と使った時には、入場が認められたという意味になり、「時間が許す限り、やってみようと思う」とすると、時間が許可される限りは続けるつもりだと言っていることになります。
「それくらいは許してやる」のような使い方がよく見られ、それくらいはいいと認めている意味になり、否定形になる「許さない」と使った時には、逆に認めないという表現になります。
「赦す」とは?
「赦す」は、過ちを免責するという意味で使います。
「罪を赦す」のように用いる言葉で、キリスト教では、全てに対して「赦す」ことが教えの基本理念となっています。
同教では、人間の背負った罪の「赦し」がテーマとされており、その為に死んでいったイエス・キリストを神と認めて信仰しています。
仏教用語から日常に使われるようになった言葉は数多く存在しますが、この「赦す」は、キリスト教の教典である聖書中のそのような記載からだと言われています。
「許す」と「赦す」の違い
「許す」と「赦す」の違いを、分かりやすく解説します。
「許す」は、何かしらを認めることだと解釈してしまうと分かりやすい言葉です。
ただし、額面通りに認めるという場合だけでなく、渋々といった意味になる場合も少なくありません。
「もういいから。許すから」のように使われた時は、そのようなニュアンスになると考えていいでしょう。
「赦す」の方は、本来(キリスト教において)は、神のみが使える言葉です。
それは、人間が他の人間を「赦す」ようなことはできない為で、人間による「赦し」というものは、表面上にものに過ぎないと言えてしまいます。
ですが、実際には「無実が認められて、赦された」のように普通に使われている言葉で、一般的にはそこまで気にせずに用いて構いません。
まとめ
「許す」と「赦す」は、このような違いになります。
「許す」とした場合でも、嫌々そうするしかないといった場合も多いもので、それも「赦す」とは違う点です。
「赦す」とした時には、そのようなことはなく、完全な免責の表現になります。