共に染色に使う「顔料」と「染料」の違いを詳しく説明していきます。
「顔料」とは?意味や使い方
「顔料」(がんりょう)とは、着色の為に使う物質で、水などと混じらないものを表します。
インクなどの性質として使われることが多い言葉で、そのまま使うことが前提になります。
プリンタのインクによく「顔料インク」という表示がありますが、そのままセットするだけで使えるという意味だと考えていいでしょう。
「染料」とは?意味や使い方
「染料」(せんりょう)も同様に、物に色を付ける物質の表現になります。
こちらは水などの液体と混ぜて使うことが前提で、建築用に用いる中にも多く存在します。
動物や植物が由来の天然染料と、化学的に作られる合成染料に分けることができ、近年に用いられているものはそのほとんどが後者の合成染料に該当します。
先の「顔料」とまとめて、この「染料」と呼んでいることがありますが、正確にはこのように、水溶性なのかどうかで切り分けて使う言葉同士となっています。
一緒くたに表現する時には「塗料」(とりょう)と用いるといいでしょう。
「顔料」と「染料」の違い
「顔料」は化学的に作られるもので、工業規格による白色、赤色、黄色、青色、黒色といった色の系統別に5種類の分類があります。
「染料」にはそのようなものはなく、先のように天然染料や合成染料、更に蛍光性のものも存在し、その種類は様々です。
実際にはそこまで厳密に考えて使っているケースはあまりなく、まとめて「塗料」や「インク」などと表現できますが、そのまま使う(何かに溶かさない)という意味で、そちらは「顔料」と用いられていると解釈してください。
まとめ
「顔料」と「染料」のうち、天然由来の成分から作られているのは「天然染料」だけですが、高価なことと、それほど発色の種類がない(天然の色合いしか表現できない)為、現在ではほとんど見掛けることはありません。