チームワークの重要性をとく場面で登場する言葉に「連携」と「共有」があります。
どちらもチームプレーには欠かせない要素であり同じような意味として使う人も多いですが、この2つは明確に違う意味を持つ全く別の言葉であり混同するのは間違いです。
今回は、「連携」と「共有」それぞれの意味と違いについて解説します。
「連携」とは?
「連携」とは「同じ目的のために協力して物事を行うこと」という意味を持つ言葉です。
「連携」の「携」には手をとりたずさえるという意味があります。
連なる者同士が手をたずさえ合って行動する様子が「連携」です。
「連携」では復数の主体が連絡を取り合い連動的に行動します。
同じ目的のために行動している物同士であってもそれぞれがバラバラに行動している場合は連携ではありません。
1+1を2ではなく3にも4にもするような大きなメリットが生まれる協力体制が連携です。
ただ力を合わせるだけの「協力」とは異なり「連携」には具体的な行動もしくは緊密な連絡が必須です。
復数が協力する巧みな行動や一体的な動作などを指して「連携」と表現しますが、一体的な行動のために情報を連絡しあうことも「連携」です。
「連携」の使い方
・企業と連携してキャンペーンを展開する。
・部署同士の連携がなければプロジェクトの実現は不可能だ。
・見事な連携プレーで得点を決める。
・独裁国家へ対向するために各国は連携を深めた。
「共有」とは?
「共有」とは「モノや権利を復数の主体が共同で所有すること」という意味です。
「共有」は共同所有の略語であり対象物の所有権を復数が分割で保有している状態を指します。
現在ではそこから転じて複数人で利用できる状態や同じ情報を複数人が知っていることも「共有」と表現します。
もともとの意味では所有権が重視されていましたが現在主流となっている「共有」の使われ方では所有権が重視されない「みんなのもの」というニュアンスが強調されています。
誰でも自由に使える、だれでも知り得る状態が共有であり制限の少なさによって共有が成立しています。
「共有」の使い方
・姉妹で洋服を共有する。
・シェアハウスの共有スペースは綺麗に使いましょう。
・共有されたファイルは社員が自由に閲覧できる。
・テラスハウスとは壁を隣の建物と共有する構造の建物のことである。
「連携」と「共有」の違い
「連携」が他者と協力する体制や行動を指すのに対し「共有」はモノや情報などが複数人で使える状態にあることを指します。
「連携」は主体のみでも成立しますが「共有」は対象物がなければ成立しません。
「連携」は協力体制であり横のつながりを重視する助け合いのニュアンスが含まれるのに対し「共有」は物や情報を共同で所有しているだけなので横のつながりは重要ではなく見ず知らずの相手と共有が成立することもあります。
まとめ
「連携」と「共有」は意味的に指すものが全く異なる別の言葉です。
混同されることもありますが使い方を間違えると誤解を招きかねません。
シチュエーションに合わせてふさわしい表現を選んでください。