「嗜好」と「趣向」の違いとは?分かりやすく解釈

「嗜好」と「趣向」の違い二語の違い

面白いことや好きという感性を表す日本語は色々なものがあり、日本人の繊細な心を表現するに役立っています。

「嗜好」「趣向」は言葉が似ているのですが、意味はかなり違うものなので、よく考えた使うのをおすすめします この記事では、「嗜好」「趣向」の違いを分かりやすく説明していきます。

「嗜好」とは?

「嗜好」【しこう】は主に特別に好きなものを表す言葉であり、これは多くの場面では食べ物に使われることが多いのが特徴です。

特別に好きということから愛着の感情を持っていることも多く、親しみを込めた飲食物に対して使われます。

ついつい食べてしまうものや無意識につまんでしまうことが多いことから、「嗜好品」という言葉はお菓子やお酒などの飲食物を示します。

「嗜好品」は個人が好きでついつい食べ過ぎてしまう飲食物を表すことから、食べ過ぎてしまうと健康を損なうことが多く現代社会の問題として取り上げられています。

「嗜好品」にはお茶、コーヒー、紅茶、タバコなどがあり、これらはないとストレスが増したり手遊びになることから、手放せない中毒になる人もいるのが特徴です。

これら以外でも最近はジャンクフードや脂っこい食べ物を「嗜好品」と名付ける人もおり、幅広い使い方が可能です。

「趣向」とは?

「趣向」【しゅこう】は趣き【おもむき】という感じが使われており、それが向かう先という意味が合わさり意向や意図的な工夫を表わすものとなります。

趣きは日本ならではの雰囲気の表し方としても有名ですが、これを意図的に変化させたり工夫して楽しませようとする行為を「趣向」と言います。

「趣向」「趣向を凝らす」という使用例が有名ですが、これはより良いものにする努力や洗練する工夫を精一杯やるという意味があります。

また「趣味趣向が合わない」という使用例は、趣味についての考え方や方向性が合わないという意味で使われます。

「嗜好」と「趣向」の違い

「嗜好」は特別に好きな飲食物を表す言葉であり、程度を過ぎた飲食すると健康を損なう恐れがあります。

適切に摂取すればストレス解消効果も高いので、よく考えて付き合うことが大切です。

「趣向」は出来事やイベントの雰囲気を表す意味と、それを改善したり工夫してよりよいものにしようとする行為を表す意味の2つがあります。

「嗜好」の例文

・『タバコは嗜好品として世界中に広まったが、現在では健康運動のおかげで分煙や禁煙などの棲み分けが成されるようになった』
・『実験で扱ったモルモットの嗜好性について興味深いデータが取れた』

「趣向」の例文

・『豪華客船で行われた趣向を凝らしたパーティーはとても感動ものだった』
・『地味な茶室に見えたが、とても趣向を凝らしたものであり禅の精神を感じました』

まとめ

読み仮名が似ている「嗜好」「趣向」ですが、意味は別物なので使用する時には区別するのが大切です。

「嗜好品」という言葉はよく使われる言葉ですが、「趣向品」という言葉は誤用なので気を付けましょう。