「善意」と「厚意」の違いはどこだと質問されると、明確な回答は難しいかもしれません。
実際に書籍やニュースをみても、ほぼ同じ意味に感じられる方もあるはずです。
混同しがちですが、しかし、厳密には区別する基準がありますので、チェックして下さい。
この記事では、「善意」と「厚意」の違いを分かりやすく説明していきます。
「善意」とは?
「善意」は道徳的に良いとされる心がけを指す言葉です。
具体例としては、困っている人を助けてあげるとか、相手を思いやる気持ちなどが含まれるでしょう。
相手を喜ばせることをしようと思ったり、元気づけようとするのも善意です。
とにかく、相手に対してポジティブで、良い影響を与えたいと言う気持ちが、善意だと言えます。
なお、法律用語としても「善意」が使われますが、上記とは全く意味が異なるので注意しましょう。
法律上での「善意」は特定の事実を知らないことを意味します。
「善意」の使い方
「人々の善意に期待しましょう」。
「被告は、商品の欠陥につき善意である」。
これは、商品に不具合があることを知らなかったと言う意味です。
「厚意」とは?
「厚意」は道徳的に良いとされる心がけや、それに基づく行為をしてもらった時に、感謝の気持ちを込めて使う言葉です。
つまり、受け取った側が使う言葉とされます。
善行をした人間が「厚意でしたことです」と言うと、間違いです。
お世話になったり、助けてもらった人が感謝する際に「ご厚意、いたみいります」と使うのが正解となります。
「厚意」の使い方
「ご厚意に甘えさせていただきました」。
「せっかくご厚意ですが、この度は見送らせていただきます」。
「善意」と「厚意」の違い
「善意」と「厚意」の違いを、分かりやすく解説します。
まず、善意は良い心そのものを指しますので、誰が使っても問題ありません。
しかし、「厚意」は別で、使用できる対象に限定があります。
思いやりや手助けを受け取った側だけが使えるのが「厚意」の特徴です。
また、目上の方への使用が相応しいか否かも、違いになります。
「厚意」の方は丁寧な言葉なので、上司や年上の相手に使っても問題ありません。
むしろ、フォーマルな場では推奨されます。
対して「善意」を目上の相手に使う場合は、注意が必要です。
例えば仕事を手伝ってくれた上司に、「善意から助けて頂いて、感謝しています」と言うと、相応しくありません。
やはり、「ご厚意に感謝します」の方が自然でしょう。
まとめ
「善意」と「厚意」の違いは、言葉を使う人物やシチュエーションが特定されているかどうかにあります。
どっちも同じような言葉だと考えていた場合は、この機会に意味を見直しておくのがおすすめです。
しっかりと使い分けができていないと、社会では恥ずかしい思いをするケースも出てきます。
逆に、「善意」と「厚意」を正確に使い分けることができると正しい言葉遣いができる人だと、ビジネスでもプライベートでも信頼を得られるはずです。