「構成要件要素」と「構成要件」の違いとは?分かりやすく解釈

「構成要件要素」と「構成要件」の違い二語の違い

この記事では、「構成要件要素」「構成要件」の違いを分かりやすく説明していきます。

「構成要件要素」とは?

「構成要件要素」とは、「犯罪行為の構成要件を成り立たせている個別の要素」を意味しています。

「構成要件要素」というのは、「構成要件のサブ概念=下位概念」に相当する法律用語になっています。

「客観的要素」「主観的要素」に分けて考えることができます。

「客観的要素」には、「主体と行為・結果・因果関係」などがあります。

「主観的要素」には、「過失・故意(計画性)」などを挙げられます。

「構成要件」とは?

「構成要件」とは、「刑法の内容によって示された、犯罪行為が成立するための要件」を意味しています。

「構成要件」という法律用語は、「刑法の条文や判例などの記載によって、どういった行為が犯罪に当たるのかについて類型化したもの」を示しているのです。

ある行為が「構成要件」に当てはまった場合には、さらに「違法性」「有責性」の判断を行う流れになります。

「構成要件」に該当して違法性を阻却できず、法的な責任能力もあると認められた時に、刑法における「犯罪行為」が成り立つのです。

刑法である行為が犯罪かどうか分別する際は、「構成要件・違法性阻却事由・責任阻却事由」について検討される必要があります。

「構成要件要素」と「構成要件」の違い

「構成要件要素」「構成要件」の違いを、分かりやすく解説します。

「構成要件」という用語は、「刑法条文に書かれている犯罪が成り立つための基本要件」を意味しています。

それに対して「構成要件要素」は、「構成要件を成り立たせるための下位の概念」を意味している違いがあります。

「構成要件」は、「違法行為を類型化したシンプルな犯罪の定義(例えば、刑法199条の人を殺した者)」を示唆しています。

一方で「構成要件要素」は、「故意か過失か・結果・状況・因果関係など、犯罪の構成要件そのもの(あるいは量刑判断)を成立させるための前提となる条件」を意味している違いを指摘できます。

「構成要件要素」の例文

・『構成要件要素という言葉そのものは難しいのですが、簡単にいうと「その行為をわざとしたのか」など構成要件が成立するための条件のようなものです。』

・『構成要件要素は、ある行為が故意なのか過失なのかといった人の主観(心の中)を問うものも多く、厳密な判断は難しいところもあります。』

「構成要件」の例文

・『どのような行為が犯罪になってしまうのかを定めた構成要件は、刑法の条文を素直に読めば理解することができます。』

・『構成要件に該当していたとしても、違法性や責任能力を阻却するだけの理由があれば、犯罪として断罪されないケースもあります。』

まとめ

この記事では、「構成要件要素」「構成要件」の意味の違いを丁寧に説明して、例文を紹介しましたがいかがでしたか。

「構成要件要素」「構成要件」の意味の違いを詳しく調べたい場合は、この記事の解説をチェックしてみてください。