この記事では、「ランプブラック」と「アイボリーブラック」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ランプブラック」とは?
黒色顔料の1つで、油を不完全燃焼させて製造されるものを意味する言葉です。
化学的成分は天然の炭素で、油煙とも呼ばれます。
「ランプブラック」は、カーボンブラックの一種で、日本画や書道に使われる墨も油煙から作られており、最高級品は菜種油を燃やして得た煤から作られています。
また、「ランプブラック」は、冷たく不透明な黒色であり、もともとはランプを燃やした時に出る煤を原料にして作られていたことに由来します。
「アイボリーブラック」とは?
もともとは、象牙を原料としていましたが、現在では動物の骨を焼いたものを使用したものを意味する言葉です。
粒子が大きく、半透明の黒色を示します。
「アイボリーブラック」は、温かみが感じられる黒であり、他の色と混ぜやすいことが特徴的です。
そのため、他の色との調和を図りながら、自然な影や深みを表現するのに適しています。
「ランプブラック」と「アイボリーブラック」の違い
「ランプブラック」と「アイボリーブラック」の違いを、分かりやすく解説します。
「ランプブラック」と「アイボリーブラック」は、どちらも黒色の絵具ですが、それぞれ異なる特徴を持ちます。
「ランプブラック」は、燃焼後の煤を原料としており、粒子のサイズが非常に小さいため、着色力が強く不透明な黒色を示します。
下地をしっかりと隠す力があります。
その一方、「アイボリーブラック」は、もともと象牙を原料としていましたが、今日では動物の骨を焼いたものを使用している顔料のことです。
半透明で暖かみのある黒色が特徴として挙げられます。
粒子が比較的大きいため、他の色と混ぜやすいとされます。
このように、「ランプブラック」が青みがかった黒色であるのに対し、「アイボリーブラック」はより暖かみのある色合いで、絵画制作においてはそれぞれの特性を活かして使い分けることが可能です。
まとめ
「ランプブラック」と「アイボリーブラック」という2つの黒色顔料は、画家が求める表現に応じて使い分けられるべきものです。
「ランプブラック」は強い陰影と深みを表し、「アイボリーブラック」は柔らかな陰影と自然な深みを生み出すことが可能だと言えるでしょう。