この記事では、「差分」と「差異」の違いを分かりやすく説明していきます。
「差分」とは?
「差分」には3つの意味があります。
1つめは関数に関係する言葉です。
関数fがあります。
この関数fのある一地点における関数値と、別の一地点に置ける関数値の差を意味しています。
2つめは、階差のことです。
ある数列で、隣り合う項について、次にある項から前の項を引いた差を意味しています。
たとえば、4・7・12と数字が並んでいたとします。
4と7は隣り合っています。
4の次にある項は7です。
次にある項から前の項を引く、つまり7から4を引くと3になります。
このような差のことをいいます。
3つめの意味は、和算で比例配分のことです。
和算とは、中国から伝わってきて、江戸時代ごろに日本で独自に発展した数学です。
明治維新ころまでは盛んでした。
和算は、その後に入ってきた西洋の数学に対する言葉です。
比例配分とは、ある量を定められた比に分けることです。
「差分」の使い方
1つめの意味と2つめの意味で使われることが多いです。
日常的に頻繁に会話に出てくる言葉ではありません。
「差異」とは?
いくつかのものの間の同じではない部分のことです。
いくつかというのは、2つ以上のことです。
2つのものを比べて同じではない部分のことも、3つ以上のものを比べて同じではない部分のことも「差異」といいます。
手作りのぬいぐるみのことで考えてみます。
手作りなので、いくつか作ったときに、機械で作ったようにきっちり同じにすることはできません。
人間なので、機械のような正確な作業は無理です。
たとえば、猫のぬいぐるみなら、耳の大きさや、目のついている位置などに、少し違いがあることでしょう。
このような違いを意味しています。
「差異」の使い方
あるものと別のあるものとの同じではない部分、という意味で使用をします。
製品、人間、文化、食品など、さまざまなものについていうことができます。
一つのもののでは比べることができないので、2つ以上のものを比べるときのことをいいます。
「差分」と「差異」の違い
どちらの言葉にも、ちがうという意味を持つ漢字である「差」が使用されています。
しかし、その後にくる漢字が「分」と「異」という違いがあり、言葉の意味も違います。
前者の言葉は、関数値や数列などの違いを意味しています。
後者の言葉は、複数のものの違う部分を意味しています。
2つの言葉は、何に関する違いなのかという点が異なります。
「差分」の例文
・『差分が大きい』
・『差分を解析する』
・『差分の計算が大変だ』
・『差分を分析するツール』
「差異」の例文
・『大した差異はない』
・『手作りなので、どうしても差異がうまれてしまいます』
・『人種間で大きな差異はない』
・『気にするほどの差異ではない』
まとめ
ちがいという意味を持つ2つの言葉ですが、何に関する違いなのかという点が異なります。