「昨年」と「前年」の違いとは?分かりやすく解釈

「昨年」と「前年」の違い二語の違い

現在より昔のこと、今年の前の年を意味する言葉として「昨年」「前年」があります。

全く同じ意味として使われていることも多いこの2つですが厳密に言うと意味する内容が異なる別の言葉です。

間違った使い方をすると混乱を招きかねないので正確な意味を知っておきましょう。

今回は、「昨年」「前年」の意味と違いについて解説します。

「昨年」とは?

「昨年」とは「今年の前の年」を指します。

「昨年」が指しているのは「すぐ前の年」です。

現在が2021年であるならば昨年は2020年となります。

「昨年」「昨」には「過ぎ去った過去、一つ前の時期」という意味があります。

昨日なら一つ前の日、昨週なら一つ前の集、昨夏なら一つ前の夏となることでわかるように「昨年」は今年を基準にした時の一つ前の年を意味します。

今年の前の年には「去年」という言い方もありますが「昨年」は去年よりもややあらたまった表現であり敬意の含まれる丁寧な言い方です。

目上の人間に対して去年のことを話すときは「昨年」がふさわしい言葉遣いです。

また文書で書くときも昨年が広く用いられています。

「昨年」は年単位で見たときの一つ前を指しているので1月1日から12月31日まですべてが含まれます。

2021年1月1日からみて2020年12月31日は昨日であり昨年です。

丁度1年前となる2020年1月1日も同じく昨年です。

日数的には364日の違いがあっても年単位で見れば同じ昨年です。

「昨年」の使い方

・昨年は大変お世話になりました。

・昨年はとても好調だったが今年に入ってからは成績がいまいちだ。

・東京に住んでいた昨年までは花粉症に悩まされていたが引越してからは全く症状が出ない。

・初めて彼に会ったのは昨年の8月でした。

「前年」とは?

「前年」とは「ある年を基準にした時の前の年」です。

一般的には今年を基準にすることが多くその場合は直前の年が前年になりますが基準にする都市が変わると前年が指す年も変化します。

例えば「小学校入学の前年」が指しているのは今よりも過去のことである小学校入学を基準にした時の前の年です。

小学校入学が10年前のならば小学校入学の前年は11年間を指しています。

基準とする年は現在過去未来どの時間でも使えます。

「前年」の使い方

・小学校入学の前年に妹が生まれた。

・4年後に開催されるオリンピックでは開催の前年に選考会が予定されている。

・売上は前年を大きく上回った。

・支社長に就任したのは前年のことである。

「昨年」と「前年」の違い

「昨年」が今年を基準にした一つ前の年を表すのに対し「前年」は今年以外の年も基準にできます。

「小学校入学の前年」という言い方はできても「小学校入学の昨年」という使い方はしません。

「昨年」「前年」のうち今年を基準とする場合に限って用いられる特別な言い方です。

まとめ

「昨年」「前年」を全く同じ意味だと勘違いしている人もいますが明確な違いがあります。

混同して使い方を間違えないようにきちんと意味を理解しておきましょう。