この記事では、「所在」と「住所」の違いを分かりやすく説明していきます。
「所在」とは?
「所在」には3つの意味があります。
1つめは、物事があるところです。
犯罪をした人のことで考えてみます。
犯人は多くの場合、警察につまらないように身を隠します。
このとき、犯人がどこにあるのかわかりません。
このことは「犯人の所在は不明だ」といいます。
こういった、存在するところを意味しています。
人のことだけでなく、家など物についてもいいます。
2つめは、することです。
「する」とは、ある動作や行為を行うことです。
つまり、「所在」は行為といった意味になります。
「所在がなくて」といった使い方をします。
この場合、やることがなくて、という意味になります。
3つめは、身分、地位です。
「所在」の使い方
1つめの意味や2つめの意味で使われることが多いです。
1つめの意味の場合では、責任など物質以外のことにも、住む家のある場所など物質のことについても使用可能です。
2つめの意味の場合は行為のことなので、非物質になります。
「住所」とは?
「住所」には2つの意味があります。
一つは住んでいる場所です。
この住んでいる場所とは、ホテルなど一時的に滞在する場所のことではなく、長期的に生活を営むために暮らす場所を指しています。
多くの人は壁と屋根がある建物に暮らしていることでしょう。
これを家といいます。
その家は、購入している場合もあれば、借りている場合もあります。
どちらにしても、そこで長期的に生活をします。
このような家がある場所を「住所」といいます。
もう一つの意味は、法律で、それぞれの人の本拠である場所です。
法人の場合は活動の拠点となる場所をいいます。
「住所」の使い方
住んでいる場所という意味で使用することが多いです。
この言葉が登場する機会が多い場面は、荷物を届けるときです。
宅配業者や郵便局などに荷物を届けてもらうとき、伝票を書く必要があります。
この伝票には、送り主が住んでいる場所と、届ける場所を書く欄があります。
ここに「住所」という言葉が登場します。
「所在」と「住所」の違い
前者の言葉は、存在する場所を意味しています。
家が存在している場所のことも、人が存在している場所のことも、責任が存在している場所のこともいいます。
後者の言葉は、生活をする場所を意味しています。
存在する場所ではなく、「暮らす」ための場所です。
「所在」の例文
・『所在がはっきりしない』
・『所在をあきらかにする』
・『所在は北海道です』
・『所在を確認する』
「住所」の例文
・『申込用紙に住所を記入する』
・『友達の家の住所を忘れた』
・『手帳に住所をメモする』
・『手紙を書くので住所を教えてください』
まとめ
どちらも家のある場所を指して使われる言葉です。
しかし、同じ意味なのではなく、一方は存在する場所、もう一方は生活する場所を指しています。