よく考えて答えを求める様子を表す言葉として「模索」と「検討」があります。
ビジネスシーンでもよく使われる言葉ですがこの2つには明確な違いがあることはご存知でしょうか。
今回は、「模索」と「検討」のそれぞれの意味と違いについて解説します。
「模索」とは?
「模索」とは「答えを求め手探りで探し求めること」という意味を持つ言葉です。
「模索」でポイントとなるのは手がかりの有無です。
模索には手がかりやきっかけのない状態で答えを求めて活動することというニュアンスがあります。
方針や方向性がつかめない状態にありながら何とか動いている、という状態を表すのが模索の指すところであり必ずしも効率的ではありません。
何をすればいいのかはっきりとはわからないままとりあえずやってみる「チャレンジ」の精神が大きな特徴です。
「模索」している時点では答えに向けてのはっきりした筋道は見いだせていません。
手がかりやきっかけをつかむための行動が「模索」であり有益な方法ややり方がわかった時点で模索は終了になります。
「模索」の使い方
・特効薬を求めて研究室ではあれこれと模索している。
・全くの他業種からの参入だったので最初は模索から始まった。
・若者にアピールするための方法を模索中だ。
・勝つための手段を模索する。
「検討」とは?
「検討」とは「物事を多方面からよく調べ、それでいいかどうかよく考えること」という意味の言葉です。
「検討」はある程度具体的な方針やアイデアをそろえてから行います。
「検」には「調べる」という意味が「討」には「追い求める」という意味がありよく調べて求めるのが「検討」の意味するところです。
「検討」は深くじっくりと考えるときにふさわしい表現です。
よく考えずに即決したり最初から選択肢がなく結果がわかりきっているときなどには使われません。
本当にその結論でいいのかどうか、時間をかけて深くじっくりと考えて結論を出すのが「検討」です。
「検討」の使い方
・効率のいいやり方について検討する。
・検討の結果、提案を採用することに決めました。
・よく検討したが最終的には購入するという結論に至った。
・彼らの態度を見ていると本当に検討したのか疑わしいものだ。
「模索」と「検討」の違い
「模索」と「検討」の違いは具体性です。
「模索」は具体的なきっかけや手がかりなど解決に向けての方向性がはっきりしていないときに使われる表現です。
それに対し「検討」ではより具体的なアイデアや行動指針を挙げて考えている状態を指しています。
「模索」は解決に向けての手がかりを出すための行動であり「模索」によって挙げられた案の中からどれを選択するのか考えるのが「検討」です。
暗闇の中を手探りで探し求めるのが「模索」ですが「検討」では暗闇の中に光明が見えているという違いがあります。
まとめ
「模索」と「検討」を同一の意味として使っている場面を見かけることもありますがそれは誤りです。
意味を混同すると誤用のもとなのでそれぞれがどのような状態を指しているのか正確に理解しましょう。
正しく意味を理解すれば自然と正しい使い分けができるようになります。