「魅入られる」と「取り憑かれる」の言葉の意味と違いをご存知でしょうか。
ここでは、それぞれの言葉の意味と、違いを丁寧に説明しています。
では一緒に見ていきましょう。
「魅入られる」の意味や使い方
「魅入られる」とは、動詞「魅入る」の受け身の形で、人が魔性のあるものに、とりつかれることを言います。
「悪い考えを持てば、悪魔に魅入られる」「彼女には妙な色気があり、男性は誰でも魅入られると言う」などと使います。
「取り憑かれる」の意味や使い方
「取り憑かれる」とは、物の怪、魔物、霊といった存在にのり移られる状態のことを言います。
またそれとは別に、妄想やある考え方が自分自身の頭から離れず、それに操られているという意味もあります。
「何かに取り憑かれたようになって机に向かっている」「この家は疫病神に取り憑かれている」などと使います。
「魅入られる」と「取り憑かれる」の違い
「魅入られる」と「取り憑かれる」という言葉はどちらも同じ意味のようですが、違いがあります。
「魅入られる」とは魔性のあるものにとりつかれることを言います。
魔性とは人を迷わせるような性質のことを言います。
ですから、悪魔、魔物だけでなく人間のことも意味しているのです。
一方で「取り憑かれる」ですが、こちらは主に霊、悪魔、魔物、物の怪といった存在に乗り移られるといった意味になります。
またある考え、妄想が頭から離れないといった状態のことでもあります。
わかりやすく覚えるならば「魅入られる」は人間に使う言い方で、「取り憑かれる」は霊的存在、目には見えない何かに対して使うというようにするといいでしょう。
「魅入られる」を使った例文と意味を解釈
「魅入られる」を使った例文とその意味を見ていきましょう。
例文1
「彼は、悪魔にでも魅入られたのか、前とは人間性が変わってしまったようだ」
悪魔に乗り移られ、自分自身を見失うような状態を「魅入られる」と言い表します。
例文2
「あの男に魅入られる女性は不幸になるだけだ」
魔性のあるものにとりつかれ、心を奪われることを「魅入られる」と言います。
例文のように、そのような性質がある男性といますと女性は苦労が多く幸せにはなりにくいと言われるでしょう。
「取り憑かれる」を使った例文と意味を解釈
「取り憑かれる」を使った例文と、その意味を見ていきましょう。
例文1
「体を壊すからと注意しても、まるで何かに取り憑かれたように勉強をしている」
ある考えに固執する、固定観念が頭から離れない状態を「取り憑かれたように」と表現します。
例文2
「彼女は、妄想に取り憑かれるような性格ではなかったが、長年の苦労からあんな風になってしまった」
ある考えが心にあり、そうに違いないと思い込んでしまうことを「妄想に取り憑かれる」と言い表します。
まとめ
いかがでしたか。
「魅入られる」と「憑りつかれる」、それぞれの言葉の意味と違いが理解できたのではないでしょうか。
似たような言葉ですが、違いを正しく理解して使い分けてください。