この記事では、「進捗」と「進行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進捗」とは?
物事が順調にどんどん進むことです。
駅のホームの工事で考えてみます。
駅のホームで工事が行われていると、ホームが狭くなって移動しにくくて不便です。
早く工事が終わって欲しいと思う人もいることでしょう。
しかし、なかなか終わらないことが珍しくありません。
作業に手間取って時間がかかっているような状態は、順調にどんどん進んでいるとはいえません。
ホームの工事の場合、「○月○日ほどまでを予定しています」など、工事期間が記載されていることがあります。
この期間内に終わるようであれば、順調に進んでいるといえます。
このように物事が進むことを「進捗」といいます。
この言葉が指す物事とは、工事、仕事、勉強などです。
マラソンでゴールに向かってちゃくちゃくと進む、などのことではありません。
「進捗」の使い方
物事がはかどるという意味で使用をします。
工事の状況や仕事について使われることが多いです。
「進行」とは?
「進行」には3つの意味があります。
1つめは、乗り物などが目的地に向かって前に進んでいくことです。
列車は進む方向や目的地が決まっており、その方向に向かって前に動きます。
これを「進行」といいます。
乗り物が進むことで、人が歩いて進むことではありません。
2つめは、前もって考えていた道筋にそって、活動や作業などが進むこと。
また、進めることです。
運動会のことで考えてみます。
運動会では、最初に準備運動、次に短距離走、その次に綱引きを行うとあらかじめ決められていました。
この通りに物事が進んでいくことを「進行」といいます。
3つめは、物事が悪化することです。
とくに病気についていいます。
よくなることではなく、悪くなることです。
がんはどんどん悪くなってくることが珍しくありません。
この場合「がんが進行する」といいます。
「進行」の使い方
物事が進むことという意味で使用をします。
乗り物が前に進むこと、活動や作業が進むこと、病気などが進むことをいいます。
「進捗」と「進行」の違い
どちらの言葉にも、すすむ、すすめるという意味を持つ漢字の「進」が使用されている通り、何かが進むことを意味しています。
しかし、2つの言葉が持っている意味は違います。
前者は順調に進むことです。
物事についていいます。
後者は、目的地に進むこと、あらかじめ考えていた道筋にそって進むこと、病気などが悪い方向に進むことです。
「進捗」の例文
・『進捗をしているようです』
・『進捗状況を伝える』
・『事業の進捗』
・『進捗状況によって考えます』
「進行」の例文
・『進行方向に気をつけてください』
・『バスが進行する』
・『同時に進行させる』
・『一度は中止になったものの、再び進行することになった』
まとめ
進むという意味合いのある2つの言葉ですが、何が進むのか、どのように進むのかという点に違いがあります。