この記事では、「注意喚起」と「周知徹底」の違いを分かりやすく説明していきます。
「注意喚起」とは?
「注意喚起」【ちゅういかんき】とは、注意を守らせるためしっかり呼びかけることです。
これは動詞形を使って「注意を喚起する」と表した文を名詞化したものです。
「注意」は気をつけること、または気を付けるよう呼びかけることです。
また「喚起」は、叫ぶ、呼びかけるという意味の「喚」と活動するという意味の「起」で構成され、周囲にしっかり呼びかけるさまを表しています。
「注意」と「注意喚起」の注意をする内容は同じです。
通常の伝え方で注意しただけでは効果が弱いと思われる場合、強く注意を促したい場合には「注意喚起」の形がとられます。
たとえば、注意を守らなければ誰かが危険にさらされる場合、大きなトラブルの起こる可能性が高い場合には、危険やトラブルを回避するため、一刻も早く注意を守ってもらう必要があります。
そのような場合に、放送や目立つ掲示物などを使って「注意喚起」がなされます。
「注意喚起」の類語は「警告」【けいこく】や「勧告」【かんこく】です。
「警告」はいましめるための呼びかけ、「勧告」は指導する目的での呼びかけをするときに「注意喚起」と使い分けるとよいでしょう。
「注意喚起」の例文
・『食中毒事故を出さないよう、調理スタッフに強く注意喚起をおこなう』
・『高齢者を狙った詐欺電話が多発しているため、怪しい電話にだまされないよう回覧板で注意喚起する』
「周知徹底」とは?
「周知徹底」は、知らせをまんべんなく行き渡らせることです。
これは動詞形を使って「周知を徹底させる」「徹底して周知する」と表した文を名詞化したものです。
「周知」は周りに広く知らせること、周りが知っている状態にすることを表し、「徹底」は物事をとことん貫くこと、またすみずみまで行き渡らせることを表します。
この2つを組み合わせた「周知徹底」は、知らせをすみずみまでしっかり行き渡らせることを表します。
また「周知」と「徹底」が共に行き渡らせるニュアンスを持つことから、まんべんなく知らせる状況であることが強調されています。
「周知徹底」は、世間、またはある物事の関係者全員が知っておくべき情報を漏れなく行き渡らせることです。
その情報を知らない人がいるとトラブルを起こす可能性のある場合、確実に情報を共有させてトラブルを未然に防ぐ目的でおこなわれます。
ニュアンスの似ている言葉には「意識徹底」や「情報共有」などがあります。
「意識徹底」はしっかり意識させること、「情報共有」は同じ情報を他人と所有することを表すときに使い分けるとよいでしょう。
「周知徹底」の例文
・『規則が一部変更になることは、各部署が周知徹底しておかなければならない』
・『この交差点は交通事故が多発しているため、見通しが悪く危ないことを周知徹底していく必要がある』
「注意喚起」と「周知徹底」の違い
「注意喚起」と「周知徹底」の違いを、分かりやすく解説します。
単に「注意する」「周知する」のではなく、危機感を持って実践しているニュアンスがあり、なんらかのトラブルを未然に防ぐ目的を持っているところが共通しています。
「注意喚起」は注意を強く呼びかける行為ですが「周知徹底」は知ってほしい情報を漏れなく行き渡らせることを指しており、意味や手段は異なるものを表しています。
まとめ
「注意喚起」と「周知徹底」は日常生活やビジネスシーンでよく目にする言葉です。
ニュアンスが似ていますが意味は異なっているので、場面に合わせ適切に使い分けていきましょう。