この記事では、「相応」と「相当」の違いを分かりやすく説明していきます。
「相応」とは?
「相応」には、釣り合いがとれている、ふさわしい、といった意味があります。
互いに釣り合いがとれ、ふさわしい状態であることを意味しています。
釣り合っている、ふさわしい、内容においては、何かに限定されることはなく、身分や性質、見た目や能力など、どのようなものでも、釣り合いがとれていれば「相応」ということができます。
同じ意味を持つ言葉には、「適切」や「適正」、「妥当」、「似つかわしい」などがあり、対義語は、「相応」に「不」をつけ、「不相応」となります。
「相応」の使い方
何に釣り合いがとれているのかを示す使い方が多く、「身分相応」や「年相応」、「相応の評価」、「相応の報酬」、「分相応な生き方」などがあります。
「相当」とは?
価値や働きなどが、そのものごととほぼ等しいといった意味の「相当」。
程度が、そのものごとにふさわしいといった意味もあるほか、かなりの程度を示す言葉となります。
そのため、全く異なった意味で「相当」が用いられることも少なくありません。
同じ意味を持つ言葉には、ほぼ等しいといった意味では、「適応」や「適合」、「該当」などがあり、かなりの程度を意味する場合には、「高程度」、「並み以上」、「ウルトラ」、「ハイレベル」などがあります。
「相当」の使い方
それぞれの意味にあった使い方がある「相当」。
価値などがほぼ等しいといった意味では「千円相当」や「相当な給与」などがあり、かなりの程度を意味する場合は、「相当ひどい」や「相当暇」などがあります。
「相応」と「相当」の違い
「相応」と「相当」の意味は、基本的に異なります。
「相応」には、釣り合いがとれ、ふさわしいといった意味のみとなりますが、「相当」には、価値や働きなどが、そのものごととほぼ等しいといった意味に加え、かなりの程度を示す意味もあります。
そのため、「相当」の方が、用いられる幅も広く、様々な場面で用いられています。
「相応」の例文
・『今の生活は、私にとって身分相応だと思っています。』
・『若いころ、自分の老け顔が嫌いでしたが、年を重ね今では年相応の顔となりました。』
・『能力に相応した報酬をもらうことができ、頑張ってきた甲斐があったと嬉しく思います。』
・『それ相応の請求をさせて頂きます。』
「相当」の例文
・『この福袋の中には、1万円相当の品々が入っているそうです。』
・『今回のボーナス査定は働いた成果を踏まえ、相当な査定で納得しています。』
・『冷や汗をかきながらもがいている彼は、相当おなかが痛いらしい。』
・『今回の結果は、相当ショックだったようです。』
まとめ
「相応」も「相当」も同じ意味のように思われますが、釣り合いがとれているといった意味とほぼ等しいといった意味と違いがあります。
そのうえで、「相当」には、かなりの程度を示す意味もあり、様々な場面で用いられる言葉となります。