「図々しい」と「厚かましい」の違いとは?分かりやすく解釈

「図々しい」と「厚かましい」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「図々しい」【ずうずうしい】と「厚かましい」【あつかましい】の違いを分かりやすく説明していきます。

「図々しい」とは?

「図々しい」とは?

「図々しい」【ずうずうしい】とは、相手に対してずかずかと遠慮なく求めることを意味しています。

他人が困惑しているのに気にもしないで自分のいいように解釈して求めたり、見返り求めてせがむなど迷惑な行為が目立ちます。

「図々しい」態度見せる人は厚かましいというのに、まったく気にせずに自分勝手にふるまうところに人は苛立ち、「図々しい人だ」と思わせるわけです。

元々は「ズ・ト」と読む「図」を訓読みで「はか(る)」と言い、「図々しい」は畳語(じょうご)として用いられ、同じ言葉を何度も使う「繰り返し言葉」と言われています。

そんな「図々しい」の意味としては、本当に見る方が恥ずかしくなってしまうほど厚かましいと感じる人の振る舞いを揶揄するときに使います。

「厚かましい」とは?

「厚かましい」とは?

「厚かましい」【あつかましい】とは、人にやってもらいたいと思う気持ちが強く、遠慮ない態度が相手に嫌われるというのに、そのことに気づかない態度がさらに「酷い人」と感じさせます。

元々は形容詞の「厚い」と接尾語の「かましい」が連なる言葉であり、「厚い」には物の幅がぶ厚い状態を表し、転じて著しくその態度に遠慮もないさまを、「かましい」「~傾向がある」と表します。

語源は「面の皮が厚い」「あつかましい」になり、自分の行動がみっともないことに恥じる気持ちがまったくないという意味になるわけです。

この言葉の類義語には「ふてぶてしい」「図太い」などがあり、人のことを考えず、無神経な人に対して使われています。

「図々しい」と「厚かましい」の違い

「図々しい」と「厚かましい」の違い

「図々しい」「厚かましい」の違いを、分かりやすく解説します。

遠慮なく求めて、人に迷惑かけるのが「図々しい」で、「厚かましい」は遠慮がない態度で人に要求してするその行為という違いがあります。

職場では図々しく上司に懇願するよりも、「厚かましいお願いですが」と言った方がより丁寧な言い回しができます。

このように他人の都合など考えず、自分のことばかり考えて振る舞う者の態度を「図々しい」と言い、何でも見返りを求めるその失礼極まりない行為に対しては「厚かましい」と覚えておくといいでしょう。

「図々しい」の例文

「図々しい」の例文

・『親から勘当されているというのに、兄は図々しくも家に住みだした』
・『図々しいお願いと分かっていても、隣の人に席を譲ってくれるように頼んだ』
もう二度と家に寄って来てほしくない者が強引な行動したことで苛立ち、怒りが込み上げる人の気持ちを表せますし、まったく赤の他人であるというのに、席を譲ってほしいと頼むその行為はとても厚かましいと感じさせ、相手に悪いと思いますが、それでも強気な気持ちを貫き通す態度はとても「図々しい」と感じさせるのです。

「厚かましい」の例文

「厚かましい」の例文

・『厚かましい態度を見せる者とは仕事はできないと感じる上司は職場を辞めるようにうながした』
・『厚かましいとは思ったが、どうしても先に買いたかったので列に割り込んだ』
ふてぶしさを感じる態度を見せる人と同じ職場で仕事していると気分が悪くなってしまうと感じれば、上司は退職してほしいと伝えて、会社を辞めてもらうことがあります。

反対に、自分のやる行動がどうも酷いなと感じても、欲しいという物欲には勝てず、マナー違反な行動してしまう自分に対して使える言葉です。

まとめ

まとめ

相手に失礼だと感じさせる行為や行動見せる人に対して使われているのが「図々しい」「厚かましい」であり、他人を困惑させるばかりではなく、苛立ちを覚えさせるマナー違反なところに腹が立つわけです。

人の態度や行為に対しては「図々しい」を使い、言葉や考えには「厚かましい」を使うといいでしょう。