この記事では、「人並み」と「月並み」の違いを分かりやすく説明していきます。
「人並み」とは?
世間の多くの人たちと同じ程度という意味です。
世間といっても、国によってそのさまは異なります。
この言葉は、その国、その文化で、他の多くの人たちと同じ程度という意味になります。
たとえば、日本の場合だと食糧にあふれており、食べるものに困る人は開発途上国に比べると少ないことでしょう。
朝・昼・夜と3食食べられる人は多いはずです。
そして、毎日お風呂に入れる環境が整っている人も少なくないはずです。
日本は水資源に恵まれており、上下水道設備が整っており、体を洗うことができます。
水汲みをしなければならない、水資源が枯渇しているといった状態ではありません。
毎日食事を普通に食べれて、お風呂に入ることができるのが、日本でいう世間一般だとすると、これと同じような程度の生活を「人並みの生活」といいます。
「人並み」の使い方
世の中の多くの人と同じ程度という意味で使用をします。
何についての程度なのかは意味に含まれておらず、生活環境、知識、能力など、さまざまな事柄に使用されます。
「月並み」とは?
「月並み」には5つの意味があります。
1つめは、毎月決まって行われることです。
月ごとといった意味になります。
たとえば、ある会は1か月に1回集まりがあり、活動をしていたとします。
毎月これはあります。
1月はあったけれど2月はなかった、ということではありません。
毎月変わらずに行われることを「月並み」といいます。
2つめは月並俳句の略です。
古臭くて、これといった特徴のない俳句を意味します。
3つめは月次の祭の略です。
一般の神社で毎月1日と15日に行われます。
また、伊勢神宮では6月と12月の月次祭のことを指します。
4つめは12の月の順序です。
1年は12か月あり、順序が決まっています。
5つめは、新しさがなく、どこにでもあることです。
おいしいものを食べたときに「おいしい」というのは、どこも工夫がないありふれた言葉です。
新鮮みはまったくありません。
こういった、どこにでもあることを意味します。
「月並み」の使い方
日常会話では、新しさがなくどこにでもあることという意味で使用されています。
神社では毎月行われる祭りのことを指して使用しています。
「人並み」と「月並み」の違い
「並み」という語を使用している点が似ていますが、意味は異なります。
前者は他の多くの人と程度が同じくらいであるという意味です。
後者は新しさがなくどこにでもあることです。
程度の意味ではありません。
「人並み」の例文
・『人並みの知識は持っている』
・『人並みの体力はある』
・『人並みにしていたい』
「月並み」の例文
・『月並みな表現』
・『月並みですが』
・『月並みな感想』
まとめ
「並み」という語を使用している点が似ていますが、2つの言葉の意味は異なります。