この記事では、「監査」と「鑑査」の違いを分かりやすく説明していきます。
「監査」とは?
監督し検査することを意味する「監査」。
「監査」には、監督の「監」と検査の「査」が用いられています。
「監査」の場合、特に業務の執行、会計などを監督し検査する際に用いられる言葉となります。
そのため、一般的に「監査」は、会社の会計や経営を監督し検査する際によく用いられています。
このような意味から「監査」の類語には、「立ち入り検査」や「立ち入り調査」、「チェック」、「取り締まり」、「検閲」、「校閲」などがあります。
「監査」の使い方
「監査」の場合、「監査する」や「監査した」、「監査を受ける」、「監査を行う」などといった使い方のほか、「監査役」や「会計監査」などといった言葉があります。
「鑑査」とは?
そのものの優劣、適否、真偽などを鑑定し審査することを「鑑査」と言います。
「鑑査」の「鑑」は、鑑定の「鑑」。
「査」は審査の「査」です。
「鑑査」の場合、対象となるものをよく見て鑑定、審査するものとなります。
このような意味から「鑑査」の類語には、「検閲」や「考査」、「審査」、「検問」、「検証」などがあります。
「鑑査」の使い方
「鑑査」の場合、「鑑査する」や「鑑査した」、「鑑査を受ける」、「鑑査を行う」などといった使い方のほか、「鑑査官」や「無鑑査」、「鑑査員」などといった言葉があります。
「監査」と「鑑査」の違い
まず、「監査」は検査すること。
「鑑査」は審査すること。
といった違いがあります。
そのうえで、「監査」は単に検査するのではなく監督し検査するといった意味があり、「鑑査」には、優劣、適否、真偽などを鑑定し審査するといった意味があります。
このように、同じ読み方でも「監査」と「鑑査」には大きな違いがあります。
「監査」の例文
・『当社では、会計監査を会計士さんにお願いしています。』
・『明日、内部監査があると聞き、何かあったのだろうかと部内に動揺が広まっています。』
・『父が監査役になり何かと忙しいようで、毎晩帰りが遅くなっています。』
・『父の会社に会計監査が入ることになり、毎晩遅くまで準備をしているようです。』
「鑑査」の例文
・『今回の作品コンテストの鑑査員を務めることになりました。』
・『私は、美術品、骨董品の鑑査に必要な知識を持っています。お任せください。』
・『私は、そもそも、鑑査を行うような展覧会に自分の作品を出品したくはありません。』
・『今回、良い作品ばかりが集まり、応募作品を鑑査するのは非常に大変でした。』
まとめ
監督し検査する行為が「監査」。
そのため、会計調査などを行うことを「会計監査」と言います。
一方、鑑定し審査する行為が「鑑査」で、応募作品の中から賞を決める際などに「鑑査」を用いることになります。
このように、検査、審査、といった大きな違いがある言葉となります。