紐を編んで作る工芸品「ミサンガ」と「組紐」は雰囲気が似ていますが、具体的にどこが違うのでしょうか。
この記事では、「ミサンガ」と「組紐」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ミサンガ」とは?
「ミサンガ」とは、南米やポルトガルに伝承する、刺しゅう糸やビーズを編み込んだアクセサリーのことです。
日本では、Jリーガーが身に付けていたことがきっかけで広まりました。
「手首や足首に結びつけて切れた時に願いが叶う」というジンクスを持ち、アクセサリーやお守りして高い人気を博しました。
プロミスリング(プロミスバンド)とも呼ばれます。
「ミサンガ」のルーツは、願い事を叶えたいときに結ぶ紐フィタにあるといわれます。
南米などでは、縁起が良いとされる教会の名をとって「ポンファン・フィタ」と呼ばれ普及しました。
「ミサンガ」と呼ばれるのは、ポルトガル語missangaに由来するためです。
missangaとはビーズのことですが、ビーズで飾り紐を作ることもあったため、糸で編んだものも「ミサンガ」と呼ばれるようになっています。
「組紐」とは?
「組紐」「組み紐」とは、日本で古くから受け継がれている工芸品のひとつで、細い糸を組み上げて作る飾り紐のことです。
「組紐」は、組み台に3種類以上の絹糸や綿糸を固定させ、糸を交互に絡ませながら組み進めて作ります。
幅の狭い帯状、紐状で適度な伸縮性と丈夫さ、美しさを兼ね備えているのが特徴です。
日本には仏具等の飾り紐として伝承され、和装の帯締め、茶道具の飾り紐などに用いられるようになり、京都、伊賀などで伝統工芸品として発展していきました。
現代は西洋風にアレンジした「組紐」も作られるようになり、ブレスレットやストラップ、靴紐などにも使われています。
また近年は、大ヒットしたアニメの中に登場したことから若者にも注目を浴びるようになっています。
「ミサンガ」と「組紐」の違い
「ミサンガ」と「組紐」の違いを、分かりやすく解説します。
二者はどちらも細い紐を編み上げて作る飾り紐ですが「ミサンガ」はポルトガル語圏で誕生し、近代に入ってから日本で知られるようになったもの、「組紐」は日本で古くから伝統工芸として発展したものという違いがあります。
また「ミサンガ」の主な用途は、手首や足首に結び付け、アクセサリーや願掛けですが「組紐」は幅広い場面で飾り紐として使われているところも異なります。
「組紐」はものを結ぶために使われるため、ちぎれるようなことがあってはいけません。
逆に「ミサンガ」は「切れると縁起が良い」という逆ジンクスを持っているところも、両者の違いといえます。
まとめ
「ミサンガ」は、ポルトガル圏で願掛けをするものとして発展したアクセサリーです。
「組紐」は日本で発展した美しく丈夫な飾り紐です。
どちらも細い糸で編み上げてあるので見た目はよく似ています。
しかし、ルーツや特徴、用途は全く違うものなのです。