この記事では、「架設」と「仮設」の違いを分かりやすく説明していきます。
「架設」とは?
橋や電線を一方からもう一方に空中にかけ渡すことです。
「架」には、かける、かけわたす、「設」には、もうける、そなえつけるという意味があります。
かけるとは、物を一方から他方にまたぐように渡してかけることをいいます。
つまり、「架設」とは、物を一方から他方に空中をまたぐようにして渡すことをいうのです。
川があり、そこを通りたいと思ったとき、橋を作ります。
橋は一方の岸から他方の岸に渡すものです。
川の部分には触れることなく、空中でかけ渡されます。
このような形のものを「架設」といいます。
電線も空中にかけ渡されています。
ある電信柱と別の電信柱の間に電線がかけ渡される形になっています。
この電線は地面に触れていません。
「架設」の使い方
一方から他方にかけ渡すという意味で使用をします。
電線や橋について使う言葉です。
「仮設」とは?
「仮設」には3つの意味があります。
1つめは、必要に応じて一時的に設けることです。
建物や設備についてをいいます。
「仮」には、かり、かりのという意味があります。
かりとは、本来のものではない、間にあわせのもののことです。
こういったことからも、「仮設」とは間に合わせで設けたものという意味があることがわかります。
災害があり家が壊れてしまったとき、被災者は住むところがなくなってしまいます。
そのような人に対して、仮の住まいが提供されることがあります。
この住まいを「仮設住宅」といいます。
必要がなくなったら撤去されます。
これはずっとそこで暮らすことを想定して作られたものではなく、次に住むところが決まるまで一時的に利用するものです。
2つめの意味は、現実とは区別された頭の中で考えることです。
3つめは、論理学などでいう仮定のことです。
「仮設」の使い方
建物や設備を一時的に設けることを指して使用する言葉です。
これをずっと使うのではなく、間に合わせで設けられたものを指して使用します。
「架設」と「仮設」の違い
どちらの言葉も「かせつ」と読みは同じですが、意味は異なります。
前者は空中にかけわたすことです。
電線や橋についていいます。
これは仮のものではありません。
後者は仮に設けることです。
建物や設備についていいます。
「架設」の例文
・『橋の架設工事』
・『仮設工事は来年の春まで行われます』
・『いくつもの橋が架設された』
・『1970年代に架設された橋』
「仮設」の例文
・『仮設テントで暮らしている』
・『仮設の屋根をとりつける』
・『仮設されていた設備を取り除く』
・『仮設のバス停が設置された』
まとめ
2つの言葉は「かせつ」と読みが同じで、もうけるという意味を持つ漢字である「設」が使われている点も同じです。
しかし、意味は異なり、一方は空中にかけること、もう一方は仮に設けることを指しています。