身内や親戚がなくなった際に用いられる言葉「忌引き」と「法事」。
この言葉の違いは何なのか。
この記事では、「忌引き」と「法事」の違いを分かりやすく説明していきます。
「忌引き」とは?
「忌引き」という言葉は、身内や親戚など、親しい間柄といった人が亡くなった際に会社や学校を休み葬儀などに参列することを意味します。
一般的な休暇とは異なり、このような事情で会社や学校を休む際には、「忌引き」となります。
一般的には、このような意味で「忌引き」が用いられていますが、実際の意味は「喪に服す」ことです。
休暇を取って葬儀に参列するといった意味ではなく、喪に服す期間として「忌引き」があります。
そして、この「忌引き」を使用する休暇において、必ず設定しなければならないといった法的な決まりありません。
そのため、会社によって、有休扱いや無休扱いなど異なった設定となります。
とは言っても、多くの会社では、「忌引き」が用いられ、亡くなった人に応じて日数が設定されています。
配偶者の場合は、一週間から10日ほど設定されているほか、父や母、子供は5日から一週間程度。
祖父母や叔父叔母の場合は1日が多くなります。
また、学生の場合、欠席扱いにはならず進級などに影響することはありません。
「法事」とは?
「法事」とは、亡くなった人を供養する行事を指す言葉です。
初七日法要から始まり、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(満中陰)、百カ日(卒哭忌)のかと非常にタイトなスケジュールで行われます。
その後も「法事」は続き、一周忌から始まり三回忌、七回忌から百回忌まで、すべての「法事」を行う場合には、一周忌から13回もの「法事」を行うものとなります。
一般的には、身内のみが集まり、僧侶の読経、お焼香、そして、会食といった流れになります。
「忌引き」と「法事」の違い
身近な人が亡くなった際に用いられる言葉といった共通点はあるものの、全くその言葉が指す意味に違いがある「忌引き」と「法事」。
「忌引き」は、一般的に身内などが亡くなった際に葬儀に参加するために休み日を指し、その日数は、亡くなった人との関係性によって異なります。
それに対し、「法事」は、亡くなった後の仏教行事を指し、基本的に会社などを休む必要はありません。
一回忌など、その当日に「法事」を行う必要はなく、多くの場合、その前あたりの都合の良い日に「法事」を行います。
そのため、基本的に会社を休むなどといった必要はありません。
まとめ
このように、「忌引き」と「法事」は全く別物です。
「忌引き」の本来の意味は、喪に服す期間です。
その期間は、亡くなった人との関係で異なります。
それと同じく、一般的に用いられる「忌引き」の意味となる、会社を休む期間においても、亡くなった人との関係で異なるものとなります。
それに対し、「法事」は、身内で行うもので、日程を前後させることができるため、会社を休むなどといった必要はありません。