台風時期の天気予報などでよく見聞きする「最大風速」と「最大瞬間風速」は、何がどう違うのか。
この記事では、「最大風速」と「最大瞬間風速」の違いを分かりやすく説明していきます。
「最大風速」とは?
「最大風速」は、あくまでも、平均の風速の最大値を指します。
まず、風速の測り方は気象庁では、風速計を地上10mに設置し、その風速計で0. 25秒ごとの値を計測します。
日々、このように風速が計測されており、その中から10分間の値を平均し秒速で表したものが平均風速や風速と呼ばれています。
その中の最大を表す「最大風速」は、つまり、10分間の平均風速のなかで最大の値を指すものとなります。
「最大風速」の場合、時間間隔や1日単位で発表されることが多く、1月1日の「最大風速」が発表された場合は、1月1日の0時から23時59分の間に計測した平均風速のなかでも、もっとも大きな数値となります。
また、18時までと発表された場合は、その日の18時までの平均風速のなかで、もっとも大きな数値となります。
このようにあくまでも、平均風速のなかの最大値が「最大風速」です。
「最大瞬間風速」とは?
「最大瞬間風速」には、瞬間という文字が用いられています。
「最大瞬間風速」は、瞬間風速の最大値を表し、その瞬間風速は、風速計によって0.25秒間隔で測定された数値を3秒間で平均したものとなります。
言い換えれば、12個の測定利の平均値が瞬間風速となり、その中でもっとも大きな値が「最大瞬間風速」となります。
「最大風速」と「最大瞬間風速」の違い
「最大風速」は、10分間の風速の平均値を計算し、その中で最大の風速のこと。
「最大瞬間風速」は、瞬間風速の中で、もっとも大きな値のこと。
このような違いがあります。
両者の関係性には、圧倒的に「最大瞬間風速」の方が高いということがあり、「最大瞬間風速」は「最大風速」のおよそ1.5倍もの風速になるということがわかっています。
そのため、「最大風速」の数値だけで判断することは非常に危険です。
瞬間的には、その「最大風速」の1. 5倍もの風速が出る可能性があります。
風速15mで取り付けの悪い看板の場合、飛んでしまうことがあります。
その1.5倍となると20mから25m。
20mもの風速になると子供なら吹き飛ばされそうになることもあり、25mになれば、屋根瓦が飛んでしまう被害も発生します。
このように風速が強くなればなるほど、大きな被害が出る可能性は高くなります。
そのため、決して、「最大風速」だけで判断するのではなく、「最大瞬間風速」も確認しておくことが大切です。
まとめ
それぞれ、平均値は平均値でも、10分間の平均値なのか。
3秒間の平均値なのか。
といった違いがある「最大風速」と「最大瞬間風速」。
10分と3秒といった違いがあることで、その差は1. 5倍もの風速になることも考えられます。
そのため、必ず「最大風速」だけではなく、「最大瞬間風速」も確認したうえで適切な行動を行うことが大切です。