この記事では、「貸与」と「付与」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貸与」とは?
金銭や物品を返すことを前提として、一時的にその人のものとすることです。
アルバイトのことで説明をします。
チェーン店の飲食店で働いている人たちは、みんな同じものを着ています。
私服を着用していて、バラバラな服装をしているのではありません。
働いている人たちが着ているものは、店側が用意をしたものです。
もともとは店のものですが、働いている期間中だけその人が使ってもよいとしています。
これは仕事をやめたときに店側に返します。
この場合だと、後で返すことを前提に衣服を一時的にその人のものにしているということができます。
これを「制服を貸与する」といいます。
今度は入院している人が外泊することで説明をします。
この入院患者は医療機器を使っています。
医療機器がないと体に負担がかかってしまう状態です。
どうしても帰宅をしたいというので、医療機器を自宅に持って行くことを条件に外泊を許しました。
このとき、患者は病院側から医療機器を借りています。
返すことを前提に自宅に持って行っているのです。
金銭と引き換えに品物を自分のものにしているのではありません。
もとの持ち主に後で渡すことを前提に、そのとき限りで自分のものにしています。
「貸与」の使い方
金銭や物品を返すことを前提にして、一時的にその人のものにすることという意味で使用をします。
永久にその人のものにすることには使用しません。
「付与」とは?
その人のものとすることです。
金銭や物品など形のあるものだけでなく、休暇や権利など形がないものについてもいいます。
ポイントのことで説明をします。
あるショッピングモールでは、100円の買い物をするごとに1ポイントを与えています。
購入者に与えたポイントは、ずっと購入者のものです。
有効期限はあるかもしれませんが、後で返してくださいということにはなりません。
その人のものになるのが一時的なことではないのです。
「付与」の使い方
金銭や物品のような形のあるものや、休暇や権利など形のないものなどを、その人のものにすることです。
「貸与」と「付与」の違い
与えるという意味を持つ点が似ていますが、同じことではありません。
前者は一時的にその人のものにすることで、後でもとの持ち主に渡すことを前提に行われるものです。
後者はその時限りではなく、ずっとその人のものにすることです。
「貸与」の例文
・『貸与は行っていない』
・『貸与期間を過ぎる』
・『無償で貸与している』
・『貸与をはじめた』
「付与」の例文
・『価値を付与する』
・『プレミアムな特典を付与している』
・『まだ付与されていない』
・『これから付与をしてもらえる』
まとめ
与えるという意味を持つ点が似ている2つの言葉ですが、一方は返すことを前提にしているけれど、もう一方はそうではない点に違いがあります。