「養子」と「里子」の違いとは?分かりやすく解釈

「養子」と「里子」の違い専門用語・業界用語

「養子」「里子」という2つの言葉は同じ意味を持つと勘違いしている人もいるようです。

この記事では、「養子」「里子」の違いを分かりやすく説明していきます。

「養子」とは?

「養子」とは?

「養子」(ようし)を簡単に説明すると「他の人の子供を自分の子供にすること」になります。

他人の子供を自分の子供にするには法的な手続きが必要で、このような手続きは「養子縁組」と呼ばれています。

養子縁組を経て子供になった人を「養子」または女性であれば「幼女」と呼び、親になった人を「養父」「養母」または「養父母」と言います。

さて「婿養子」という言葉を耳にしたことがあると思います。

これは夫が妻の姓を選び、また妻の親と養子縁組して親子関係を結ぶことです。

しかし現在は養子縁組はなく、単に婚姻により夫が妻の姓を選んだ場合でも「婿養子」と呼ぶ場合もあります。

ちなみに「養子」と対する言葉は実の子供を意味する「実子」になります。

「里子」とは?

「里子」とは?

「里子」(さとご)は、簡単に説明すると「子供を他の家に預けて養ってもらうこと」になります。

この場合に他の家に預けられた子供を「里子」と呼び、その里子を育てる親が「里親」と呼ばれます。

かつて様々な理由で子供を自分の手元で育てられない親が、子供を欲しがっている人や、裕福な知人などに自分の子供を預けることは珍しくありませんでした。

「里子に出す」「里子をもらう」といった言葉は現在ではあまり耳にしませんが、その昔はしばしば日常会話の中に登場していました。

また1947年には様々な理由で実の親と暮らせない子供たちが施設ではなく、家庭で養育されるのを目的とした「里親制度」藻制定されました。

しかしながら「里親」「里子」に対しての親権は持っていません。

「養子」と「里子」の違い

「養子」と「里子」の違い

「養子」「里子」の違いを、分かりやすく解説します。

「養子」「里子」の明らかな違いは、「養子」は法的な手続きを経て戸籍上で「子供」と認められているのに対し、「里子」にはこのような法的な親子関係は存在しないことです。

つまり「養父母」「養子」の親権を持っていても、「里親」「里子」の親権を持っておらず、また「養子」「養父母」の財産を相続する権利があっても、「里子」には「里親」の財産を相続する権利はないのです。

「養子」の例文

「養子」の例文

・『子供が欲しかった夫婦が特別養子縁組で3歳の男の子の養父母になりました』
・『彼は財産の相続のことを考慮して養子縁組することに決めた』

「里子」の例文

「里子」の例文

・『幼い頃に里子に出されたので、実の親の顔はあまり覚えていない』
・『あの子は血の繋がらない里子ですが、一緒に生活しているうちに深い愛情が芽生えました』

まとめ

まとめ

「養子」「里子」を同じ意味だと勘違いして、使い方を間違えている人もいるようです。

「養子」「養父母」と戸籍上の親子関係がありますが、「里子」「里親」と法的なつながりはありません。

この違いをしっかりと認識しておきましょう。