「様子」と「状況」の違いとは?分かりやすく解釈

「様子」と「状況」の違い言葉・カタカナ語・言語

使い分けの難しい似た意味を持つ言葉として「様子」「状況」があります。

このふたつはどのような基準で使い分ければよいのでしょうか。

今回は、「様子」「状況」の違いについて解説します。

「様子」とは?

「様子」とは?

「様子」とは「外から見たり聞いたりしてわかるありさまや、そこからうかがい知れる雰囲気」を意味する言葉です。

「目で見て分かったり聞き取れたりする情報やそのようにして入手した情報から推察できる気配」「様子」といいます。

「様子」は感覚器官によって収集される情報が重要な意味を持つ言葉です。

見たり聞いたりふれたりなど感覚を通じて入手できる情報その情報から感じ取れるたたずまいが「様子」であり客観的事実に主観的な判断を加えた表現です。

はっきりとした事実や断定された物事を指す言葉ではないので同じものを見ても人により感じ取る「様子」には違いがあります。

一般的には細かな動きの違いや口調など対象に特徴的に表れる表面的な違いを指して「様子」と表現しますが「心理状態や感情の表れ」を意味するほか「物理的な特性」「これから何事かが起こりそうな雰囲気」という意味でも使われます。

「様子」の使い方

・『逃げこんできた女性はひどくおびえた様子だ』
・『建物の影から様子をうかがう』
・『落ち着いた様子で胸ポケットから書類を取り出した』
・『彼の態度におかしな様子は見られない』

「状況」とは?

「状況」とは?

「状況」とは、「変化を続ける物事における現在のさま」を意味する言葉です。

「時間の経過とともに刻々と事情が変化する物事においてある一瞬を切り出したその時のありさま」を指す言葉が「状況」です。

どこに何があるのか、誰がいて何をしているのかなど「状況」は複雑に絡み合う事情を情報として整理し事実を述べたものを意味します。

基本的には見聞きできるものや調べられるものなど客観的な視点に立て集められる情報を元に導き出されますが、直接的には入手できない裏事情や背景などを加味することもあります。

これまでに変化があり今後も変化が予想されるものに対して使われる言葉であり、過去から未来へと流れる時間のうちある時点に特定してフォーカスしたものが「状況」です。

時間がたっても変化しないものに対してはあまり使われない表現です。

「状況」の使い方

・『現場入りした責任者に状況を説明する』
・『楽観できない状況だが絶望するにはまだ早い』
・『わかりやすく状況を整理して図に起こす』
・『状況に応じて臨機応変に対応する』

「様子」と「状況」の違い

「様子」と「状況」の違い

「様子」「状況」の違いは「対象とする範囲」です。

「様子」は特定の人や物などに対して使われますが「状況」は場所や空間など特定の範囲に対して使われるという違いがあります。

「様子」は感覚を基準にした言葉なので見たり聞いたり感覚を通じて把握できるものにしか使われませんが、「状況」は集めた情報を元に推測するなど直接見聞きしたりふれたりしていない物事に対しても使えるという違いもあります。

まとめ

まとめ

「様子」「状況」は極めて意味の近しい言葉ですが対象の数や認識方法などに違いが見られます。

どちらも日常でよく使う言葉なのでそれぞれの保つ意味を正確に知っておきましょう。