「擬制」と「推定」の違いとは?分かりやすく解釈

「擬制」と「推定」の違いとは?言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「擬制」「推定」の違いを分かりやすく説明していきます。

「擬制」とは?

「擬制」とは?

擬制とは、ぎせいという読み方をすべき言葉です。

漢字で書かれたこの言葉を見れば分かる事ですが、本物らしく似せるとかなぞらえる等の意味を持っている擬の漢字に、形を作って整えるやおさえつけるといった意味の制の漢字を組み合わせる事で成立した言葉となっています。

だからこそ擬制は、実際は異なるものでも、法的な取り扱いについては同一のものとみなすという意味を表すのです。

「擬制」の使い方

擬制は、法的な取り扱いにおいて、実質違うものを同一であるとみなす際に用いられる言葉となっています。

例えば未成年者が結婚した場合、実際はまだ未成年者であっても民法上では成年者とみなすという規定があるのです。

この様な形で法的根拠により実際とは違う事実をみなす事を、擬制という言葉を用いて表現する事が可能です。

「推定」とは?

「推定」とは?

推定とは、すいていという読み方をする言葉となっています。

文字で書かれたこの言葉を目にすれば理解可能な事ですが、おしはかるや人をおし上げるといった意味を持つ推の文字に、さだめるとか物事を決定して変えないの意味を有する定の文字を加える事で誕生した言葉です。

そのため推定は、ある事実や法律関係が明確ではない場合、一定の状態であるとの判断を下す事を意味しています。

「推定」の使い方

推定は、主に法律において明瞭ではない事実を、事実と判断を下す際に使用される言葉です。

ただし別の事実が出て来て、前の事実が反証されてしまった場合には最初の判断は取り下げられたりします。

例えば妻が婚姻中に懐胎した子供は、夫の子であると推定するという民法上のルールが存在しているのです。

ですが実際に夫だけが海外で生活している等して長い間性交渉がないという事実が証明されれば、夫の子であるという推定を取り下げる事が出来ます。

「擬制」と「推定」の違い

「擬制」と「推定」の違い

擬制と推定は文字を見比べれば、全く違う漢字が使われており、読み方も全然違う言葉同士です。

ですがどちらも法律に関連した言葉として登場する事が多いので、ややこしい部分はあります。

もっとも擬制は、実際には異なっていても法的な扱いは同じであるとみなす際に使われる言葉です。

一方の推定は、法律関係が明瞭ではないケースで、一定の状態にあると判断を下す事を表す言葉となっています。

「擬制」の例文

「擬制」の例文

・『失踪してある一定の期間が過ぎると、擬制により死亡したとみなされます』

「推定」の例文

「推定」の例文

・『亡くなった女性は、40歳前後と推定されます』

まとめ

まとめ

2つの言葉は、使用されている文字も読み方にも特に共通点は見当たらない言葉同士です。

ですがどちらも法律的な問題で登場する事が多いので、混同してしまう可能性はないとは言えません。

ただし擬制は、実際には違っていても法律上の扱いは同じだとみなされる時に用いられる言葉です。

対する推定は、とある事実や法律関係が明確ではない場合に、一定の状態であるとの判断を下す事を示す言葉となっています。