この記事では、「制する」と「征する」の違いを分かりやすく説明していきます。
「制する」とは?
「制する」は、制御することを主としており、制御法は力ずくだったり、相手を諭して従ってもらうことを指します。
その上で、「制する」は、対象となる者を討伐することは行わず、力を持って接する場合においても相手を滅ぼすことを良しとしません。
「征する」とは?
「征する」は、征服をすることで、従わない者に対して武力で介入し、討伐したうえでそのエリアを自己のものにします。
つまり、「征する」は征伐といえば聞こえが良いのですが、事実上の征服行為を指します。
「制する」と「征する」の違い
「制する」と「征する」の違いは対象を制御化に置くか、単に征服するかです。
「制する」は制御下に置く側、「征する」は征服することだと覚えるとよいでしょう。
「制する」の例文
・『金融市場を制する』
この例は、金融というお金が流れる市場を制御化に置いた例です。
どのような手法を持ち込むかについては説明は避けますが、事実上、お金の流れをある程度制御できるようになったことを意味します。
・『反乱分子を制する』
この例は、反乱を起こしている者を武力を持って威嚇により従わせています。
「制する」は、制御することを重視するため、威嚇により相手をコントロールすることも「制する」です。
「征する」の例文
・『反乱分子を征する』
この例は、反乱を起こしている者を討伐により支配することを意味します。
「征する」は手段に武力介入があり、かつ周囲を根絶やしにすることを意味するため、事実上の征服に当たります。
事実上の侵略であるため、反乱分子側はすべて除去されどこか別の場所に追いやられるかすべて排除されます。
・『国家を征する』
この例は、国家を武力で制圧し、逆らうものを排除することで自分が国のトップになったという意味です。
これは征服を意味し、現国王や元首を亡きものにした後、自分がその国を統治することを意味しています。
まとめ
「制する」と「征する」の違いは、制御するか、征服をするかです。
「制する」は対象を制御することにあり、武力を用いることはあってもそれを行使するかどうかは未知数で、威嚇で終わることも多いです。
ですが、「征する」は、征服することに意味があるため対象となる者に対して武力を使用しかつ対象を抹殺して排除することもいといません。
その為、表現上まろやかな印象を与えるのは、制御を意味する「制する」でこちらであれば支配をしているのですが、住民側はまだ抹殺という対象になっていませんので普通に生活ができます。
しかし、「征する」は征服であるため、住民はすべて異分子で追い出されてしまうのです。
しかも追い出す方法に抹殺という方法が加わるため、事実上「征する」はそのエリアに住む国民をすべて除去したうえで自国民に住ませるという意味になります。
その為、「国家を征する」は国家のトップとその取り巻きすべてを排除したうえで自分の近親者をトップに添えたり、取り巻きに添えることを意味します。