この記事では、「住む」と「棲む」の違いを分かりやすく説明していきます。
「住む」とは?
家や場所を決めて、常にその場所で生活することを「住む」と言います。
そして、この「住む」という文字を用いることができる主語は人間だけです。
人間が家や決めた場所で生活すること、その場所に身を置くことに対し「住む」を用いることができます。
そのため、「住む」は、「在住」や「滞在」、「居住」、「暮らす」などと言い換えることができます。
「住む」の使い方
人間に対してのみ用いることができる「住む」。
そんな「住む」の使い方は、「マンションに住む」や「都会に住む」、「田舎に住む」、「一人で住む」などとなります。
「棲む」とは?
動物が巣を作り、その中で生活すること、生息することを意味する「棲む」。
この「棲む」の場合、人間に対して用いられることはなく、あくまでも、動物に対してのみとなります。
動物が巣を作り、その中で暮らすこと。
生息する場所を決め、そこで暮らすことを「棲む」と言います。
そのため、「棲む」は、「生息」や「棲息」、「栖息」などと言い換えることができます。
「棲む」の使い方
動物に対してのみ用いることができる「棲む」。
そんな「棲む」の使い方は、「森に棲む動物」や「玄関先に棲むツバメ」、「庭に棲む生き物」、「川辺に棲む野鳥」などとなります。
「住む」と「棲む」の違い
「住む」と「棲む」は、主語となる対象に大きな違いがあります。
「住む」の主語は人間。
「棲む」の主語は動物です。
それ以外は、ほぼ同じ意味として用いることができます。
人間が家に居住することは「家に住む」。
動物が巣に居住することは「巣に棲む」です。
このように「住む」と「棲む」の行為そのものは同じもので、誰が「すむ」のかによって、「住むと「棲む」を使い分けることになります。
「住む」の例文
・『私は定年後、沖縄に住むようになって5年が過ぎました。』
・『両親が亡くなり、1人で住む実家は妙に広く感じ淋しいものです。』
・『今、結婚後に二人で住む家を探しているところです。』
・『子供とは空気が美味しいところに住むことを夢見て、この地に引っ越してきました。』
「棲む」の例文
・『自由研究の一環として、裏の竹林に棲む生き物たちを調べることにしました。』
・『我が家の玄関先は、毎年、ツバメが巣を作り棲んでいて、とてもかわいいです。』
・『水辺周辺には、魚だけではなく水鳥など様々な生き物が棲んでいます。』
・『登山する予定の山には、クマやイノシシなど危険な動物が棲んでいるため注意する必要があります。』
まとめ
「住む」と「棲む」の違いは簡単です。
主語の違いのみで、人間は「住む」。
動物は「棲む」。
この違いを知っておけば、どちらの漢字が適しているのかすぐに判断することができます。
人間がそこで暮らす場合は、「住む」を。
動物がそこで暮らす場合は「棲む」を選びます。