「先般」と「今般」の違いとは?分かりやすく解釈

「先般」と「今般」の違い言葉・カタカナ語・言語

時勢を表す言葉というのは言語によってとても独特なとらえ方があり難しい場合が多いものです。

身近な例でいうと、中学英語で『現在完了形』や『過去完了形』という日本語にはない時勢の文法でとても悩まれた方は多いのではないでしょうか。

我々の普段使う日本語にもそれが当てはまり、日本語を学ぶ外国の方を悩まします。

特に表現の仕方が多彩な為、どれが適切な言葉なのかを判断するのが難しいものになっています。

さて、そんな中でも『先般』と『今般』というものがありますが、この違いをはっきりと説明できる方はいらっしゃいますでしょうか。

今回は意外にも見落とされがちのこの2つの表現について見ていきましょう。

この記事では「先般」「今般」の違いを分かりやすく説明していきます。

「先般」とは

「先般」とは

まず、この単語の意味ですが『過ぎ去った過去のこと』を指し示す言葉です。

『さきごろ』や『このあいだ』という形で説明しても差し支えありません。

少し硬く、実際の使われ方としてはフォーマルな状況や目上の方へ畏まった形で多く見られる表現です。

例えば『先般申し上げました通り…』という形で表現している場面をご覧になった方も多いと思いますが、これは柔らかくすると『このあいだ言った通り…』というものになります。

「今般」とは

「今般」とは

一方『今般』は『現在起きていること』という表現です。

先ほどの『先般』と同じくフォーマルな場面で使われるケースがとても多い表現ですので、ぜひ『先般』と一緒に覚えておきたい単語です。

平たい言葉に直すと『このたび』や『今度、今回』という意味になる表現になります。

使い方はこちらも『先般』と同じく、例えば『今般ご説明させて頂きますのは…』という表現がビジネスシーンなどでありますが、これは『今回説明するのは…』と砕けた表現に変えることができます。

「先般」と「今般」の違い

「先般」と「今般」の違い

この二つは『過去のこと』を指しているのか『現在のこと』を指しているのかで違いを分けることができます。

この様な表現の仕方は『先日』と『今日』などでもみられるものです。

今回の『先般』と『今般』については普段の会話ではほとんど使うケースはありませんが、フォーマルな表現の中では比較的よく使われる表現ですので、一般教養としてぜひ覚えておきましょう。

「先般」の例文

「先般」の例文

・『先般開催された会議で、来年度の営業方針が決定した。』

・『開発部にて先般発表されております製品は当社の目玉商品になりますので今後積極的なプロモーションをお願い致します。』

・『坂田から先般ご説明させて頂きました通り、本内容につきましては大変申し訳ございませんが仕切り直しをさせて頂きたくお願い申し上げます。』

『今般』の例文

『今般』の例文

・『多くのご要望にお応えする形で今般新しい製品を発表させて頂くことになりました。』

・『弊社社長より今般ご説明させて頂いた内容につきましては後ほど詳細をご説明致します。』

・『今般ご説明させて頂く内容は本会議及び関係者のみに開示させて頂きます。』

まとめ

まとめ

如何でしたでしょうか。

とても堅苦しいイメージがある時勢の表現の仕方が『先般』と『今般』でした。

一点注意していただきたいのは、これは決して敬語ではなく、丁寧な表現です。

かなり線引きの難しいものではありますが、上段でご説明させて頂きました通り、ビジネスシーンなどではとても多く使われる言葉ですので、是非覚えて実際に使ってみましょう。