この記事では、「前世」と「先祖」の違いを分かりやすく説明していきます。
「前世」とは?
前世とは、ぜんせという読み方をする言葉です。
文字で書かれたこの言葉を目にすれば即座に理解出来る事ですが、ある時点よりもまえとか進んで行く方等の意味がある前の文字に、生きている期間や人が暮らすせかいを意味する世の文字を付け足す事で成立した言葉となっています。
そのため前世は、この世に生まれる以前の世や、現在の自分よりも前に魂が入っていた人物の事を表す言葉です。
「前世」の使い方
前世は、生まれ変わりという考え方を元にしてこの言葉が用いられる事が多くなっています。
具体的には魂が今の人物として生まれ変わる前に入っていた、人物や動物を表す際に使用される言葉です。
あくまで肉体という容れ物に魂が宿って、肉体が滅んだ後に別の人間や動物の肉体に宿るというやや宗教的な考え方がベースとなった言葉となっています。
だからこそ、人によっては前世自体存在しないと否定的に考えたりするのです。
「先祖」とは?
先祖とは、せんぞという読み方をすべき言葉となっています。
漢字で表現されたこの言葉を見れば一目瞭然ですが、ある時点より前とか時間的に早いといった意味の先の漢字に、家系を継いだ各世代の連なりといった意味を持っている祖の漢字を組み合わせる事で完成した言葉です。
だからこそ先祖は、祖先とかその家系に属していた過去の人々を表します。
「先祖」の使い方
先祖は、過去にその家系に属していた人々を表す言葉です。
基本的には血縁関係にある過去の近親者が枝分かれして行く事で家系が生じますが、かつてその家系に属していた人達の事を、先祖という言葉を使って呼んでいます。
自分の血縁のルーツへと続く連なりだったりするので、ご先祖様という表現をして死者を敬ったりする事が少なくありません。
「前世」と「先祖」の違い
前世と先祖は文字を見比べれば、使用されている文字も読み方も違っている事に気付く事が出来ます。
ただしどちらも自分のルーツに関連した言葉であるため、少し混同してしまう要素はあるにはあるのです。
もっとも前世の方は、生まれ変わりという考え方に基づいて、現在の自分になる以前に魂が宿っていた人物や動物を表す言葉となっています。
一方の先祖は、過去にその家系に属していた死者を表す言葉として用いられているのです。
「前世」の例文
・『大人よりも子供の方が、前世の記憶が残っている事が多いと言われています』
「先祖」の例文
・『私は毎年、先祖のお墓に手を合わせに行っています』
・『彼のご先祖様には、有名な戦国大名がいるらしい』
まとめ
2つの言葉は使用されている文字は全然違っており、読み方も特に似てはいません。
ですが現在の自分に行き着く様な過去を表現する言葉同士なので、ややこしい部分はあるのです。
ちなみに前世は、魂として何度も生まれ変わりを繰り返しているというやや宗教的な考えを基準に、今の自分として生まれ変わる前の別の人生を表現する言葉となっています。
対する先祖は、主に血縁という結び付きがある等して、家系図に登場する死者を表す言葉です。
