日本語の中には非常によく似た言葉がたくさんあります。
特に言葉を構成する漢字が同じものが含まれていたなら、なおさら解釈の違いに戸惑うことが少なくありません。
では、「感触」と「触感」という2つの言葉を見てみるとどうでしょうか?「感」と「触」という文字の順序が逆になっている言葉なので、ますます相違点が分かりづらいことと思います。
そこでこの記事では、「感触」と「触感」の違いを分かりやすく説明していきます。
「感触」とは?
「感触」は「かんしょく」という読み方になる言葉です。
意味は「物事に触れて心に感じること」、あるいは「そのような気持ちや感情のこと」を指しています。
また、「皮膚が外の世界から受ける刺激から感じたもの」という解釈や「曖昧でぼんやりとした感じ」という意味で使われている言葉でもあるのです。
「触感」とは?
「触感」は「しょっかん」という読み方になる言葉ですが、「触覚」、もしくは「手ざわり」「肌ざわり」「さわった時の感じ」という意味を持っています。
「感触」と「触感」の違い
では、ここで「感触」と「触感」の違いを考えてみましょう。
2つの言葉にはどのような相違点があるのでしょうか? 前述の通り、「感触」は「物事に触れて心に感じること」や「触れて心に感じ気持ちや感情」を意味していました。
一方の「触感」は「手ざわり」「肌ざわり」「さわった時の感じ」ということを言っています。
ひと言で言うと、「感触」は「感覚」であり、「触感」は「触覚」と表現することもできるのです。
「触感」は対象物に触れた場合に使われているのですが、一方の「感触」は「肌で感じた感覚」であり、対象物に触れなくても雰囲気で感じるようなシチュエーションでも使われる点が異なっていると言ってもいいでしょう。
「感触」の例文
では、ここで「感触」の例文を見てみましょう。
・『昨日購入した羽毛布団のふんわりした感触があまりにも良すぎて、深い眠りにつくことができました、でもそのおかげでしっかりと寝坊してしまい、遅刻したのです』
・『君のプレゼンの感触は結構良かったと思うんだ。でも、最後はあちらの社長さんが気に入ってくれるかどうかだね。<後は天に運を任せるしかないさ。』
「触感」の例文
「触感」の例文を見ると、以下のようなものが挙げられます。
・『彼女の手の暖かい触感は、僕の氷ついた心を少しずつ溶かしてくれたのです。もうこれで思い残すことはありません』
・『デザインはいいんだけど何となくヒリヒリする触感が好きになれないんだ。どうしてもこの服は僕の肌に合わないな。他の服を選ぶことにする』
まとめ
ここまで「感触」と「触感」の意味や違いを説明してきました。
言葉を構成する漢字が逆になっているだけの言葉ですが、その意味を詳しく見ていくと、両者にはちょっとした違いがあることが分かりました。
このような類いの言葉が他にもたくさんあるので、機会がある度にチェックしておく習慣をつけておきましょう。