この記事では、「先進」と「先行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「先進」とは?
年齢や地位、技量などが先に進んでいることやその人を指す意味もありますが(対義語が後進で、先進国が比較的近い使用例と言えます)、多く使われている使い方は進歩の段階が先に進んでいることを指す言葉で、先進的な技術、先進的な制度、女性が輝く先進企業表彰、先進医療などの使い方があります。
先進的なデザインという使い方もあり、基本的には斬新であることを志向しており、今までになかったものを見せようとしているデザインということが出来るでしょう。
ただし、レトロなものを近代的に復古したデザインであっても先駆者であればアイデア自体を先進的と評する事はできます。
「超先進企業」など、超を付けた表現も幅広く使われているわけではありませんが可能です。
「先行」とは?
先に行くこと、他に先んじること、先を行くことなどの意味があり、2点先行するなどスポーツの途中経過において点差をつけている場合に使う言葉でもあります。
先行車は自分の車の前を走る車という意味になり、直接テクノロジー的な意味合いはありません。
理想論が先行するなど、前に出る、前面に出すといったニュアンスも含まれています。
鉄道の世界では先行量産車という車両があり、新型車両を旧型車両で置き換える際などに初めに後に大量生産するものと仕様の近い1編成を製造し試運転や営業運転を行い改善点を見つけていく性質のものとなっています。
また、テクノロジーにおいて先行技術という言葉は特許が先に出願されていないかを調査するニュアンスで使われています。
先行他社という言葉は先に自社が行おうとしたことを先に行った他社という意味合いがあり、こちらは電気自動車の先行他社、値上げの先行他社など非常に幅広い範囲で使うことが出来ます。
「先進」と「先行」の違い
「先進」と「先行」の違いを、分かりやすく解説します。
進歩の段階が先に進んでいることを指すのが先進でテクノロジーや制度などに対して使われるケースが多くなっています。
前を歩いている人など(先行者)前を進んでいる車(先行車)など、物理的に先に進んでいることを指すのが先行ということが出来ますが、スポーツの得点で先に進んでいるという「点数が先行」という表現もあり、「チケット先行発売」という言葉では時間的に先を行っているということが出来ます。
言葉の使用範囲としては先行のほうが広いということが出来るでしょう。
反面先進はポジティブなイメージ、世の中で進んでいるというイメーシが強い言葉として使われています。
まとめ
「先進」はテクノロジーや制度などが先へ進んでいる、他より進んでいるという意味なのに対して「先行」はただ前を走っている車を先行車と呼ぶなど先にあることの多くを指す言葉になっています。
ただし、先行技術という言葉は進んだテクノロジーと言うよりは特許における意味あいが強くなっており、先行という言葉にはあまりテクノロジー的な意味はありません。