「○○必至」や「○○必須」など、いずれも日常シーンで頻繁に見聞きする言葉ですが、字面が似ていることから混同しがちになっている方や実は違いがはっきり分かっていないという方もいるのではないでしょうか?
この記事では、「必至」と「必須」の違いを分かりやすく説明していきます。
「必至(ひっし)」とは?
「必至」は「必ずそうなること」や「そうなることは避けられないこと」を意味する言葉です。
類義語としては「必然」や「不可避」などがあり、また、英語では“inevitable”などに訳されます。
ちなみに、将棋では「どのように受けても、次の手で王将が必ず詰む状態」を「必至(必死)」と呼ばれます。
「必至」の使い方
・『今年の大会は有望視される選手が多く出場するため、大荒れは必至だろう』
・『不具合が多発しているようなので、製品に対してクレームが来るのは必至だろう』
・『赤字経営になるのは必死だと投資家たちに判断され、会社の株価が暴落した』
「必須(ひっす)」とは?
「必須」は「必ず用いるべきこと」や「欠かせないこと」、「なくてはならないもの」などを意味する言葉です。
「須」という字は、「待つ」や「待ち受ける」、「求める」などのほか、「用いる」という意味が含まれています。
もともとは、「ひっしゅ」と読まれていましたが、後に「ひっす」と読まれるようになりました。
類義語としては「必要」や「不可欠」などがあり、対義語としては「不要」や「無用」、「不必要」などがあります。
また、英語では“necessary”や“essential”などに訳されます。
「必須」の使い方
・『通販サイトに利用登録する場合は、個人情報の入力が必須である』
・『卒業にかかわる必須科目に注意して、受講する講義を選択しなければいけない』
・『最近、このアイテムは若者の間で、必須アイテムとして扱われている』
「必至」と「必須」の違い
「必至」は文字からも分かるように「ある状態や事態に必ず至ること」など、意味するところは「必然性」です。
対して、「必須」は「欠かせないこと」や「なくてはならないもの」など、意味するところは「必要性」です。
いずれも「必」という漢字が含まれ、字数も同じですが、「○○は必至だ」と「○○は必須だ」では全く異なる意味を指すことになります。
まとめ
・「必至」は「必ずそうなること」や「そうなることは避けられないこと」を意味する言葉です。
・「必須」は「必ず用いるべきこと」や「欠かせないこと」、「なくてはならないもの」などを意味する言葉です。
「必至」は文字通りの意味なので、漢字から容易に意味を連想できると思います。
一方、「必須」の場合は「須」という漢字があまり馴染み深くないので、若干意味を連想しづらいかもしれません。
ただし、「必須」という言葉自体は様々なところで用いられているので、しっかり意味を把握して使い分けられるようにしましょう。