この記事では、「貸出」と「貸与」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貸出」とは?
「貸出」には2つの意味があります。
ひとつは、自分のものを物を一時的に他人に渡して、外に持ち出させることです。
返すことを前提にある人に物を渡し、外に持ち出させることを意味しています。
スケートボードのことで説明をします。
ある人が「スケートノードをやってみたい」と考えました。
行うためには、それなりの道具が必要です。
実際にやってみないと面白いかわからず、自分にできるかもわかりません。
もしも、面白くなかったり、自分にはむいていないと思ったりしたら、この1回でやめてしまう可能性があります。
それなのに道具を揃えるのはもったいないです。
ある施設では、スケートボードに必要な物を貸していました。
そこで、この人はそれらを借りて、その施設の外に持って行って使うことにしました。
これを「スケートボードの貸出」といいます。
もう一つの意味は、金融機関などが貸付金を支払うことです。
「貸出」の使い方
返すことを前提に物を渡し、ある範囲から出た部分に持って行かせることです。
「貸与」とは?
金銭や品物を貸して与えることです。
返すことを前提に自分のものを別の人に渡し、一時的にその人のものとすることを意味します。
今度音楽会を開くことになりました。
この音楽会では、さまざまな楽器を演奏したいと考えています。
しかし、音楽会開催を考えている団体には、普段一般の人が目にする楽器しかありません。
新たに購入をするとなると高額です。
何かいい方法がないかと考えていたとき、楽器コレクターが「貸してあげますよ」と申し出をしてくれました。
その好意に甘えて、団体はその楽器を一時的に使わせてもらうことにしました。
この一時的に使わせることが、この言葉が意味するものです。
自宅で最期を迎えたいと考えている人がいたとします。
しかし、医療器具がないとこの人は生命を維持することができません。
それでも、家族は自宅で最期を迎えさせたいと思っていました。
医療器具は購入するとなると高額です。
そこで、医療器具を後で返すことを前提に、病院側が患者に医療器具を渡しました。
これを「医療器具の貸与」といいます。
「貸与」の使い方
金銭や品物を貸し与えることを指して使用する言葉です。
権利には使用しません。
「貸出」と「貸与」の違い
前者は貸してある物の範囲から出た部分に持って行かせることを意味します。
後者は貸すことで、ある範囲から出た部分に持って行かせるという意味は含まれていません。
「貸出」の例文
・『貸出を禁止しています』
・『この書籍は貸出中です』
・『貸出期限を守ってください』
・『貸出には事前の連絡が必要です』
「貸与」の例文
・『3年単位で貸与する』
・『貸与期限を更新する』
・『介護車が貸与された』
・『貸与するという案を提出した』
まとめ
返すことを前提に自分のものを他人に渡すという意味が似ていますが、それぞれの意味は異なります。