このような解説文に頻繁に登場する文句として挙げられるのが「差異」とか「差違」という言葉です。
そもそも2つの言葉の違いに関しての解説文なので、これらの言葉が頻出するのは当然ではあるのですが、それではこの「差異」とか「差違」とはどういう意味でしょうか。
また違いは(差異は)どこにあるのでしょうか。
この記事では、「差異」と「差違」の違いを分かりやすく説明していきます。
「差異」とは?
「差異」とは、「異なっている」ということを示す言葉です。
「差」には文字通り「2つのものの差」という意味があり、「異」には、「異なる」という意味があるので、合わせると「異なっている2つのもの差」という言い方もできます。
多くのシチュエーションで頻繁に使用される言葉でですが、最も多いのは「差異がある」とか「差異がない」という表現です。
つまり、2つのものの間に存在する「違った部分」を明確にすることを目的としている言葉だと言えます。
英語では「difference」が近いでしょう。
「差違」とは?
「差違」とは、「差」が「2つのものの差」、「違」が「違い」という意味なので、合わせると「2つのものの違いという差」を示す言葉です。
使用するシチェーションも、「ある」「ない」という用法も「差異」とほぼ変わらないと言っても良いでしょう。
ただ、インターネットで検索しても「差違」の使用ページは「差異」の10分の1程度しかありませんでした。
つまり、「異なっている」ことを言いたいのであれば「差異」を使用する方が圧倒的に受け入れやすいということは言えます。
英語ではやはり「difference」ですが、「gap」と言っても良いでしょう。
「差異」と「差違」の違い
「差異」と「差違」の違いを、分かりやすく解説します。
こお2つの言葉は、辞書にも併記されていることが多く、意味に違いは無いと言っても良いかもしれません。
しかし、あえてその違いがあるとすれば、「差違」には「差し違える」、つまり、「AとBを入れ違ってしまう」という意味が含まれるということです。
それに対して「差異」は異なっていることが中心になるので、重要なのは「AとBの違い」ということです。
また、使用される頻度としては「差異」の方が圧倒的に高いと言えます。
「差異」の例文
「差異」の例文は以下のようになります。
・『この品物とこちらの品物の差異はほとんどありません』
・『人間であれば人それぞれ差異があるのは当然です』
「差違」の例文
「差違」の例文は以下のようになります。
・『人間であるならば猿との差違は他人に共感できるということでしょう』
・『2BとHBの鉛筆の差違は使われている芯の固さにあります』
まとめ
この記事では、「差異」と「差違」の違いを、解説してきました。
この違いに関してはすでに様々な意見が出てきており、多数決で決定するならば「この2つの言葉に差異はない」というのが共通見解ということもできます。
それにもかかわらず、今回別の解釈を行ったのは「差違」には「さしちがえる」という読み方もあるということを重要視した結果です。
つまり、「差違」の文字をあえて使用する意味としてはそのくらいしか考えられないと言っても良いでしょう。