数学の分野においては、直感的には分かりにくい言葉がたくさんあります。
例えば、「最大値」と「極大値」という言葉は関数が示す上下するグラフにおける、ある2つのポイントのことを示すものなのですが、文字で説明するのは極めて難しいものです。
では、これらはどういう意味でしょうか。
また違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「最大値」と「極大値」の違いを分かりやすく説明していきます。
「最大値」とは?
「最大値」とは、英語で「maximum」と言い、統計や関数に数値を当てはめたような一連の数字のうち、「最も大きな数字」のことを示す言葉です。
例えば、1,3,4,2,5,8,2,1という一連の数字があったとすると「最大値」は「8」になります。
「極大値」とは?
「極大値」とは、英語で「maxmal」と言い、数字の並びにおいて「その前後での頂点の数字」を表す言葉です。
「ピーク」あるいは「山の頂点」と言っても良いものです。
例えば前述の1,3,4,2,5,8,2,1という一連の数字があったとすると、「極大値」は、3番目の「4」と、6番目の「8」になります。
これは1,3,4,2までが最初の山を形成し、その後の5,8,2,1が次の山を形成しているので、その2つの山の頂点がそれぞれ「極大値」と呼ばれるというわけです。
「最大値」と「極大値」の違い
「最大値」と「極大値」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、一般的には「最も大きい値」という同じような意味を持つものですが、数学の用語としては明確な違いがあります。
それは、2つの山を持つ繋がった曲線のグラフを想像して貰えばわかります。
その2つの山はアルファベットのMのように繋がっていますが、右側のピークの方が若干高いとします。
この時、左と右の2つの頂点のポイントの両方の数値を「極大値」といい、右側の頂点のポイントの特に「最大値」と定義しています。
これはそもそも「極大」というのが「カーブが上がって下がる時の頂点」という意味を持っているからです。
「最大値」の例文
「最大値」の例文は以下のようになります。
・『たくさん採集したデータのうち最も高い値が最大値になります』
・『表計算ソフトで複数のセルの数値の最大値を見つけるにはMAXという関数を使用します』
「極大値」の例文
「極大値」の例文は以下のようになります。
・『極大値とは数値を並べたときの山のピークを示す言葉です』
・『表計算ソフトで極大値を求めるためには前と後の数値が自分よりも小さいことをチェックする数式を使います』
まとめ
この記事では、「最大値」と「極大値」の違いを、解説してきました。
この2つの言葉の違いはそのまま英語で同じ意味を表す「maximum」と「maximal」の違いにもつながります。
すなわち、英語での違いに関しても、ニュアンスの違いのような曖昧なものではなく、はっきりとした定義の違いがあるということです。
それはさらに対義語としての「minimum」と「minimal」にもそのまま当てはまります。