回数に関する表現として「頻度」と「数回」という言葉があります。
それぞれ日常生活でも当たり前に使われている言葉ですがどのような意味を持っているのでしょうか。
今回は、「頻度」と「数回」の違いについて解説します。
「頻度」とは?
「頻度」とは、「繰り返し起きる物事がどの程度の間を空けて起きるのかを示す度合いのこと」を指す言葉です。
ある物事が繰り返し発生するとき「どのくらいの期間で何回くらい起きているのか」を意味する言葉が「頻度」です。
起きやすいことを「頻度が高い」起きにくいことを「頻度が低い」と表現します。
「物事が繰り返し起きる時のその度合い」を示す言葉なので繰り返し発生しない一度きりの物事に対しては使われない言葉です。
ある一定期間に発生する回数から計算されますが計測対象となる期間の長さに決まりはなく、そのつど設定されます。
「頻度」の使い方
・使いやすい工具ほど使用頻度も高い。
・今日は腹の調子が悪いのでトイレにいく頻度が高くなっている。
・シカの出没頻度が高くなるにつれて食害被害の報告も増加している。
・選挙が近づくと辻演説を見かける頻度も高くなる。
「数回」とは?
「数回」とは、「多くはないわずかな回数」という意味の言葉です。
「数回」に具体的な定義はなく漠然と「少なめの回数」を指す言葉として使われています。
1回きりであることはなく少なくとも2回以上で多くても2桁の10回に満たない2~9回までが「数回」の範囲となります。
一般的にはその事実は覚えているが具体的な回数については記憶があいまいではっきりとした数字が挙げられないときに「数回」という表現が用いられます。
はっきりと下決まりはないものの、おおむね3~6回程度を指して「数回」と呼ぶことが多く見られます。
「数回」の使い方
・彼とはまだ数回しか離したことがないが気が合いそうだ。
・カルチャースクールに数回通ったが自分には会わなかったので退所した。
・仕事で忙しく時間がないので購入した新作ゲームは数回しかプレイしていない。
・数回利用したことがある程度では常連とはいえない。
「頻度」と「数回」の違い
「頻度」と「数回」の違いは「程度と回数」の違いです。
「頻度」とは一定期間に物事が起きる度合いを示す言葉であり、物事が起きる程度を意味しています。
具体的な回数を指す言葉ではなく頻度と期間からは発生回数が、頻度と回数からは計測期間がそれぞれ算出可能です。
「数回」は漠然とした表現ですが意味しているのは事実として発生した回数そのものです。
対称となるのは回数として数えられるもので、はっきりとしていないが物事が多くはない回数起きていたことを示しています。
回数を時間で割って算出される数字が「頻度」、回数が少ないのが「数回」でありどちらも回数にまつわる言葉ではあるもののそれぞれ指し示しているものは全く違います。
まとめ
「頻度」と「数回」は性質からして全く違う種類の言葉です。
それぞれの言葉が何を意味しどのように使われているのかを正しく知ることで理解がはかどります。
曖昧な意味を含む言葉なので自分がどう思うのかではなく世間一般にどのように認識されているのかを大切にして使いこなしてください。