物事をありのまま客観的に見ることを「観察」といいますが、観察とひとくちにいってもいろいろな方法があります。
よく知られているのが「様子観察」と「経過観察」のですが、このふたつはどのような地がいがあるのでしょうか。
今回は、「様子観察」と「経過観察」の違いについて解説します。
「様子観察」とは?
「様子観察」とは、「手を出すことなく物事の動向を見ること」という意味の言葉です。
「様子観察」は「様子を見る」とほぼ同義で「観察対象の物事に対して干渉することなく外部からの影響を受けていない、ありのままの姿を見ること」を意味しています。
意味としては「静観」と非常に近しく外形的には「放置」に近い状況ですが決して鑑賞しないわけではなく「様子観察」中に異常事態などが発生すれば手を出すこともあります。
現状においてどのような状態にあるのかを確かめるために行われることが多く、対象を調べる方法としては基本的な手段です。
「様子観察」で得られた情報から対策を講じたり対処方法を決定するなど準備のために必要な措置として実行される観察手法です。
「様子観察」の使い方
・状態を確認するために様子観察を実行する。
・どの程度不調なのかを知りたいので様子観察することにした。
・まずは様子観察で詳しい情報を知ることから始めよう。
・様子観察だけでは改善が見込めない。
「経過観察」とは?
「経過観察」とは、「変化や推移を見るために物事の成り行きを一定期間見ること」という意味の言葉です。
物事が時間とともにどのように変化するのかを観察するのが「経過観察」です。
一般的は変化することが予測されるものもしくは現状で変化の途上にあるものに対して行われ、変化の量や推移の程度を見ることで有効な対策手段や対処方法を調べる目的で実行されます。
ある程度の時間を置いて観察することで「時間」というものさしを使って観察することが可能になります。
効果や成果を確認したり進行状況をチェックしたりといった時間経過とともに変化が現れるものを確認する手段としてはとても効果が高く、ある時点での状態や状況を確認するだけではわからない継続的な変化を確認することでより詳しい情報を入手できます。
「経過観察」の使い方
・薬を投与して経過観察を行う。
・経過観察の結果、発祥が完全に抑えられていることがわかった。
・新しい法律が社会にどのように影響を及ぼしているのか経過観察で確認する。
・何か異変が確認された場合は経過観察中であってもすぐに対処し無くてはならない。
「様子観察」と「経過観察」の違い
「様子観察」と「経過観察」の違いは「観察対象への干渉」です。
「様子観察」は観察対象のありのままの姿を見るために行われるものです。
余計な影響を与えないよう基本的には対象に干渉することはなく外部から見守ります。
「経過観察」は観察対象がある物事によってどのように変化しているのかを見るために行われます。
変化を促すような干渉を行うところが観察のスタートになります。
観察対象と距離を置くのが「様子観察」、観察対象に直接的に関わったものがその関わりに因る影響を見るために行うのが「経過観察」という違いがあります。
まとめ
「様子観察」と「経過観察」はどちらも観察を意味する言葉ですが実行している内容に違いがあります。
対象との関わりに大きな違いがあるので詳しい意味を知っておきましょう。