この記事では、「触媒」と「溶媒」の違いを分かりやすく説明していきます。
「触媒」とは?
そのもの自体は変化しないが、反応の速度を変化させるものです。
化学反応に関する言葉です。
使い捨てカイロは、鉄と酸素の反応を利用したものです。
鉄が酸素にむすびついて酸化される際に熱が発生をし、温かく感じることができます。
鉄でできた釘を放置していると、やがてさびます。
これも鉄が酸素とむすびつく反応ですが、熱を感じることはできません。
この反応は、あまりにもゆっくりなため、熱を感じることができないのです。
使い捨てカイロの場合は、鉄と酸素の反応を早めるために塩類を加えています。
塩類の働きによって鉄と酸素の反応が早まる、つまり酸化速度がはやくなります。
塩類自体には変化はありません。
このとき塩類は「触媒」になっています。
洗剤には衣類の汚れを落とす働きがあります。
洗浄成分だけでなく酵素も加えると、汚れを落とす働きが高まることが期待できます。
酵素にもいろいろなものがありますが、洗剤に使用されているものはタンパク質を分解する働きを持つものである場合が多いです。
酵素は汚れを分解する働きを早めてくれます。
これも「触媒」です。
「触媒」の使い方
それ自体は変化せず、反応速度を変化させるものを指して使用する言葉です。
反応速度を早める場合と遅くする場合とがあります。
「溶媒」とは?
ある物が溶けている液体で、ある物質を溶かしている液体物質のことです。
塩水のことで考えてみます。
塩水は、塩という固体が水という液体に溶けてできたものです。
この場合、物質を溶かしている液体は水なので、水がこの言葉が指すものになります。
水の中に塩を入れただけでは、塩は溶けていません。
溶けていない場合は、ある物質を入れた液体のことを「溶媒」とはいいません。
塩が溶けていなければ、水は「溶媒」とはいえないのです。
水の中に塩を入れて、何もしなければ塩は容器の底の方にかたまっていますが、かき混ぜるなどをすれば溶けます。
何かを溶かしている場合にだけ「溶媒」といいます。
「溶媒」の使い方
ある物質を混ぜ合わせることができる液体を指して使用する言葉です。
塩水の場合だと塩+水の液体ではなく、水を指します。
「触媒」と「溶媒」の違い
どちらの言葉も化学で使われていますが、意味は異なります。
「触媒」は、それ自体は変化せずに反応速度を変化させるものです。
「溶媒」は、物質を溶かしている液体物質のことです。
「触媒」の例文
・『触媒を利用する』
・『白金を触媒とする』
・『触媒にパラジウムが使われている』
・『触媒として働く』
「溶媒」の例文
・『溶媒を作る』
・『砂糖を溶かしている溶媒』
・『溶媒の性質を調べる』
・『有機溶媒を用いる』
まとめ
2つの言葉は化学で使われています。
一方は反応速度を変えるもの、もう一方は物質を溶かしている液体物質を指しています。