プロジェクトの計画フェーズにおいて必ず行われるのが、費用と効果の見積もりです。
そのプロジェクトがどのくらいの規模で、どのくらいの効果が見込めるかによって詳細な計画が変わってきますし、そもそもそれを実施するべきかの判断にも必要です。
それはITに関するプロジェクトや製品開発だけではなく、サービス改善や本社移転などの全ての活動に基本的には必須です。
費用の見積もりをする場合には通常各フェーズでの人件費やその他の経費などを一つずつ積算してゆくということです。
さて、ここで使用した「見積もり」とか「積算」とはどういう意味でしょうか。
また、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「積算」と「見積もり」の違いを分かりやすく説明していきます。
「積算」とは?
「積算」とは、多くの意味を持った言葉です。
もっとも一般的に使われるのは、「数字をどんどん足して行く」という意味です。
これは単なる数字の計算から、比喩的な意味として計量できないものが重なってゆくような時にも使われます。
経済用語としては、数字の累計のことを、建設業界においては、建設に必要な経費を積み上げてゆくことを示します。
掛け算のことだと間違われるケースもありますが、算数の掛け算の言い換えは「乗算」です。
英語では、これらの全てを含むものとして「integrate」が近いでしょう。
「見積もり」とは?
「見積もり」とは、提示された目的に沿って、「数字を積み上げて提示する」ことです。
この言葉はさまざまな業界や一般の会話でも使用される便利な言葉です。
通常は一定の計算や積算を必要としますが、場合によってはただの予想のケースもあり得ます。
英語では、「estimate」がそのものの単語です。
「積算」と「見積もり」の違い
「積算」と「見積もり」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、「目的に沿って計算をする」時に使われる言葉ですが、意味は微妙に異なっています。
もっとも大きな違いはどの工程で行われるものかということです。
すなわち、「積算」とは、「数字を積み上げてどんどん足してゆく」過程のことを言い、「見積もり」とは「積算」した結果の数字を「最終形として組み立てる」ことです。
従って、「積算」の結果が「見積もり」になるのです。
「積算」の例文
「積算」の例文は以下のようになります。
・『新製品の開発のための人件費を積算すると開発コストが見積れます』
・『さまざまな対策を打ってきたことが実を結んで、積算的な効果が出はじめています』
「見積もり」の例文
「見積もり」の例文は以下のようになります。
・『新製品の開発のための人件費を積算すると開発コストが見積れます』
・『宅配便の配達日数は、それぞれの拠点での平均の処理時間から見積もれます』
まとめ
この記事では、「積算」と「見積もり」の違いを、解説してきました。
序文で述べたように、どんなプロジェクトや活動においても費用の見積もりが必要です。
見積もりに際して使用されるのが実費と予想費用です。
実費に関しては既に同じ用途で同じ費用項目が計上されている実績に従って期間を基準に行われるので、問題はありませんが、まだ使った事がない費用の予想に関してはそれなりのテクニックが必要になります。
そこで役に立つのがバッファを考慮することです。
これは危険率やコンティンジェンシーとも呼ばれ、一定の比率で費用を多めに見積もることです。
これによって何か不測の事態が起こったとしても予算を食い尽くすことは少なくなります。