「世の中」をあらわす言葉は、いくつかあります。
この記事では、「世相」と「世情」の違いを分かりやすく説明していきます。
小さな差を知って、学びを深めていきましょう。
「世相」とは?
世相(せそう)とは、世の中の様子のこと。
社会全体の空気をあらわした言葉です。
世間の人たちが、どのような生活をおこない、どのような感情を抱いているのか、伝える言葉になります。
「世相」には「相」という漢字が含まれています。
「相」は、姿や形という意味があります。
つまり世の中の姿や形を、分かりやすくかみ砕いたものが世相になります。
「世相」と聞いて思い浮かべるのが、年末に京都の清水寺でおこなわれる「今年の漢字」です。
過去には「密・令・災」などの世相をあらわす漢字が選ばれています。
その年の空気感をおしえてくれる、大切な言葉が世相です。
世相は世の中の空気を伝えるものなので「~から世相が見える」や「世相を反映する~」という言い方をします。
鏡のように、今のトレンドを教えてくれるものが世相です。
「世情」とは?
世情(せじょう)とは、世の中のありさまのこと。
社会的な背景をつたえる言葉です。
変化の激しい、不安定な世の中を言い表したいときに良く用いられます。
「世情」には「情」という漢字がふくまれています。
「情」は「情け」とも言い換えできますが、この場合の「情」は「実情や国情」のこと。
実際の国の様子、ありさまを伝えているものです。
そのため「世情」は、広い意味での経済の様子、文化の状態をつたえる言葉になります。
その国の実態をあらわしたものが「世情」です。
世情には「落ちつかない日常」という意味もあるので、世の中が平和になることを「世情が落ちつく」といいます。
また「厳しい世情」や「不安定な世情」と、否定的な言葉とセットにして使うことも多いです。
「世相」と「世情」の違い
どちらも「世」という漢字が入っているので難しく感じられます。
「世相」と「世情」の違いを、分かりやすく解説します。
・マイナスの意味もある「世情」
「世相」と「世情」にはどちらも、世間の空気という共通した意味合いがあります。
「世相」がプラスの意味、マイナスの意味と分け隔てなく用いられるのに対して「世情」はマイナスの意味として使われることが多いです。
「コロナ禍という世情」や「飲食店にとって厳しい世情」などが、その一例です。
逆風が吹いているときに用いられるのが「世情」。
向かい風も追い風も、どちらにも使えるのが「世相」です。
まとめ
「世相」と「世情」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも世の中のありようについて、述べた言葉です。
「トレンド、世間の空気」という意味があるのが世相。
「厳しい世の中、せちがらい世の中」というニュアンスが込められたものが世情になります。
生きづらい世の中ですが、少しでも明るいニュースを迎えられるように期待したいものです。