この記事では、「世情」と「世上」の違いを分かりやすく説明していきます。
「世情」とは?
世情とは、せじょうという読み方をする言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を目にすれば明確な事でしょうが、よのなかやせけんといった意味がある世の漢字に、なさけや思いやり、まごごろ等の意味の情の漢字を加える事で成立している言葉となっています。
だからこそ世情は、世の中の有様や世間の事情や人情といった意味を表すのです。
「世情」の使い方
世情は、世の中の状況といった意味で使われる事が多い言葉となっています。
例えば、世情に明るい、という使い方であれば、現在の世の中の事情に詳しいといった意味を表す事が可能です。
逆に世の中の事情を余り知らない場合には、世情に疎い、といった形で同じくこの言葉を使って表現出来ます。
同様に、世情に通じる、という表現で世の中の動きや事情を良く知っているという意味を示す事が可能です。
「世上」とは?
世上とは、せじょうという読み方をすべき言葉となっています。
文字で表記されたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、人々が作る生活の場や社会等の意味を持つ世の文字に、位置がうえとかうえの方といった意味を持つ上の文字を付け足す事で完成した言葉です。
そのため世上は、世の中や世間といった意味を表します。
「世上」の使い方
世上は、この世の中といった意味で使用される事が多い言葉です。
世間一般という意味合いを表す際に用いられるものの、日常会話の中では登場する事が少ない言葉となっています。
なので現代人には馴染みが余りない人が多く、世の中という意味を昔の言い方で表現する際に、登場する言葉です。
「世情」と「世上」の違い
世情と世上は、文字を見比べれば直ぐに2文字目に情と上という明らかな漢字の違いがある事に気付く事が出来ます。
ですがどちらも最初に付く文字は世で、しかも同じせじょうという読み方をする言葉なので、ややこしい組み合わせの言葉同士と言えます。
もっとも世情は、世の中の有様や人間社会の事情といった意味を表す言葉です。
一方の世上はよりシンプルに、この世とか世間といった意味を示す言葉となっています。
「世情」の例文
・『私はここ数年山奥で暮らしているので、世情に疎いです』
・『彼は新聞記者をしているので、何かと世情に通じています』
「世上」の例文
・『世上の噂話を鵜呑みにすべきではありません』
・『例え世上の有力者であっても、この問題を解決するのは困難です』
まとめ
2つの言葉は最初に同じ世の文字が付く上に、どちらも、せじょうと同じ読み方をする言葉同士です。
ただし2文字目が情と上という違う文字を使用しているので、示す意味合いにも違いが生じています。
まず世情は、この世の中や社会の事情や有様といった意味を表す言葉として使用されているのです。
対する世上は、世間一般やこの世の中といった意味を少し古い形で表現する際に、用いられる言葉となっています。