「発展すること」や「発達すること」を表現するとき、「進歩」なのか「発達」なのかで迷った経験はないでしょうか?
いずれも同じような言葉に感じますが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「進歩」と「成長」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進歩」とは?
「進歩」は、「物事などが次第により良い方向へ進んでいくこと」や「望ましい方向へ進んでいくこと」、「前進」を意味する言葉です。
類義語として「発展」や「進展」、「発達」などがあり、対義語として「退歩」などがあります。
英語では“progress”などに訳されます。
「進歩」の使い方
・『次々に最新技術が発表され、文明が日々、進歩しているのを実感した』
・『自分の意見をはっきり言えるようになったことは、彼にとっては大きな進歩と言える』
・『競争社会において、進歩を促せない企業は軒並み廃れていく』
「成長」とは?
「成長」は、「人が大人になること」や「動植物が育って大きくなること」、「物事の規模が大きくなること」、「拡大すること」を意味する言葉です。
「成」という字には、「できあがる」や「なしとげる」のほか、「育つ」という意味が含まれています。
「長」という字にも、「ながい」や「優れている」のほか、「育つ」や「大きくなる」という意味が含まれています。
したがって、「成長」は「育って大きくなること」や「発達して大きくなること」を表現した言葉と言えます。
類義語として「進化」や「成熟」、「発育」などがあり、対義語として「退行」や「衰退」、「後退」などがあります。
英語では“growth”などに訳されます。
「成長」の使い方
・『子供が日々、成長していく姿を見守ることは親としての喜びのひとつだ』
・『子犬の頃に飼い始めたペットは、今では立派な成犬へと成長した』
・『国際需要の高まりが、企業の成長を著しく促すことになった』
「進歩」と「成長」の違い
「進歩」は読んで字のごとく「歩を進めること」を表し、そこから転じて、「より良い状態や、より優れた状態へ変化すること」という意味合いで用いられるのに対し、「成長」は主に「育って大きくなること」、「規模が大きくなること」という意味合いで用いられます。
そのため、「子供が育つ」=「子供が成長する」や「経済規模が大きくなる」=「経済が成長する」という表現はされても、「子供が進歩する」や「経済が進歩する」という表現はされません。
ただし、「成長」は「育つこと」=「より優れた状態へと変化すること」という意味合いで用いられるケースもあります。
したがって、「成長」が「進歩」に言い換えられる例は少ないのですが、「進歩」が「成長」に言い換えられる例は少なからずあるようです。
まとめ
・「進歩」は、「物事などが次第により良い方向へ進んでいくこと」や「望ましい方向へ進んでいくこと」、「前進」を意味する言葉です。
・「成長」は、「人が大人になること」や「動植物が育って大きくなること」、「物事の規模が大きくなること」、「拡大すること」を意味する言葉です。