職人気質という言葉がありますが、これは職人の考え方が独特であることから来ています。
そして、今はあまり聞くことも無くなった「江戸っ子」という言葉とも繋がっているかもしれません。
さて、ここで出てきた「気質」とはどういう意味でしょうか。
この記事では、「堅気」と「気質」の違いを分かりやすく説明していきます。
「堅気」とは?
「堅気」とは「かたぎ」と読みます。
意味としては「堅い職業の人」や、「地味なことをやっている人」という意味で使われることもありますが、一番多いのは「やくざ」や「ギャンブラー」などに対する「まともな職業についている人」という意味の使い方です。
ここで疑問なのは、なぜ「気」という文字を使用しているかということです。
実は「気」には「雰囲気」や「気配」などに使われるように、「漂っているその人の存在」のような意味があるのです。
したがって、「堅気」という言葉は「堅い職業のように感じられる人」というところから来ています。
英語では、そのものの言葉はありませんが「honest」が近いでしょう。
「気質」とは?
「気質」は、「きしつ」あるいは「かたぎ」と読みますが、どちらも意味としては似たようなものを表します。
すなわち、「その人(や職業)の独特の性質」という意味です。
例えば「職人気質」といえば、「頑固だが一本筋が通っていて人情にあつい」という意味を持つのが一般的ですが、どんな職人でもそうであるわけはないので、「気質」には「大ヒュ的な」、「典型的な」、「イメージとしての」という暗黙の前提があります。
また、使われるシチュエーションによって「かたぎ」と読む場合と「きしつ」と読む場合が限定されます。
英語では、「temperament」が近いでしょう。
「堅気」と「気質」の違い
「堅気」と「気質」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、同じ「かたぎ」という読みであるという点は同じですが、大きな違いは何に使われるかということです。
「堅気」はやくざに対する言葉として「一般の人」を示しますが、「気質」は人のことではなく「性質」のことを表し、特に「一般と違う性質」のことなので、そもそもこの2つが示すのは逆の方向とも言えます。
「堅気」の例文
「堅気」の例文は以下のようになります。
・『堅気の衆に手を出してはいけません』
・『法律の範囲内で活動を行なっていれば堅気と言えるわけではありません』
「気質」の例文
「気質」の例文は以下のようになります。
・『職人気質の代表的なものは頑固であることです』
・『当世書生気質とは、坪内逍遥が学生の風俗を書いた小説です』
まとめ
この記事では、「堅気」と「気質」の違いを、解説してきました。
「気質」という言葉が表すのは、考え方がいかにユニークであるかということなのですが、実は改めて「気質」と呼ぶまでもなく公務員には公務員の、経理担当にも、管理職にも、みんなそれぞれのユニークネスがあり、その中で日々奮闘しているのも事実なのです。